6月が来るとオヤジ殿が亡くなってから21年になる。と言う事は以来ずっと独り身でいたから、ずっと自炊生活を続けてきた事になる。いや正確に言うと、オフクロが亡くなって以来だから30年近くになる。オヤジ殿と一緒の時も大抵私が作ってきたからだ。
これだけ長いと、さぞ料理も上手くなっただろうと思うでしょうが、どっこいそうは行かない。なにせアタシはノメシコキだから、そんなに手の込んだ料理は作らない。ましてや、料理の本を読んで研究するなんて事はする訳がない。一応食えれば事足りるから、必然毎日同じような料理を飽きもせず食べている。いや、本当は飽きているんだけれど、仕事をしていた当時は、時間がないので、他の料理なんて研究している暇がない。取り敢えず腹を満たせばそれで良かったのである。そして自炊をしている時間がなければ、外食をしていたから、それで自炊とは違う料理になるので、それなりに満足していた。
ところが仕事を辞め、収入が年金以外無くなると、流石にそうそう外食はしていられない。必然的に自炊が多くなる訳であるが、そうなると料理のパターンが増えると、皆さんお思いでしょうが、甘い。何度も言うようですが、アタシャ、ノメシコキだから、やっぱり増えないんですな。（笑）まあ、キノコ採りや山菜採りをするようになったから、料理の素材は増えたんだけれど、如何せん、料理のパターンはちっとも増えないんでゲスな。（笑）
あ、目新しい料理を教えて戴かなくても結構です。どうせ覚える気無いですから。まあ、今もって栄養失調になってないようですから、何とかなっているんでしょう。それにしても思う事は熟々主婦の方々は偉いなという事です。家族の為に毎日毎日色んな献立を考え、時には栄養の事も考えて料理している。そして中には勤めもこなしながら台所に立っている方もいらっしゃる。見上げた物です。
それに引き替え、宿六殿は仕事から帰ってくると、「風呂、メシ、寝る」ですから、お気楽な物ですね。アタシなんか自炊生活が長いですから、月の内半分でも、いや3分の1でいいから、飯を作るのを代わって貰ったら、どれだけ有り難い事か。そして一度でいいから言ってみたい物ですな。
「風呂！メシ！寝る！」
