ネットニュースを見ていると今年も山の事故が多い。まあ、滑落事故事故を始め、事故の大半が恐らく注意していれば防げたのではないかと思う。特に転んで足を骨折とか捻挫したなどと言うのは、咄嗟の時の身体の反応が悪くなってきているので有る。だからもうそうなってきたら潔く登山を止める時期に来ているのだ。
斯く言う私も2年前に山を止めたが、考えて見れば兆候はあった。それまでは山で転んでも1回も怪我などはした事は無いのが自慢だったが、2016年8月に燕岳に登った時のこと。燕岳から餓鬼岳方面への縦走路を採り、中房温泉へ降りる途中、目印が中々見つからずに右往左往している時に岩場で足を滑らせ、したたかに左膝を打ち付けた。
今から考えると結構な怪我だったのかも知れないが、リーダーである責任上、早く道を見つけなければと言う思いがあったので、痛みはそっちのけで行動した覚えがある。しかし、これはやはり気持ちが焦っていたからこその事故で、そういう時こそ落ち着いて行動しなければならなかった筈だ。私が怪我をすれば他の者が尚更不安になる。
ただこの一件を見ても分かるようにやはり身体がその頃はもう咄嗟の瞬間にあまり危険回避が出来なくなって来ていたのである。お山引退の時期は近づいていた。それから2年くらいが何とか山へ行ける身体であっただろう。あとは正直お山に行くには危ない体力と運動神経になっていた。
その事に気が付かない人が如何に多いか、今夏の山岳事故を見ても分かる。まあ、殊更山の事故を目くじら立てて取り上げているのかも知れないが、山の事故は平地とは違う。怪我をしたから電話して直ぐに仲間の車が迎えに来てくれる言う類いの物ではない。山岳救助隊を始め、多くの方に迷惑をかける。何よりも早く怪我に処置をして貰えない本人が一番辛い。
だから山をやる人は己の体力と反射神経を鑑みて登ることを判断して欲しいのだ。今夏の富士山登山の時期は今日で終了したが、今年も無謀な登山による事故がかなり有った。勧告されているにも拘わらず、軽装で登ったり、所謂弾丸登山などは論外である。事故を起こしてからでは取り返しが付かない。山の思い出が苦い思い出とならないように願うばかりだ。
ちょっとした不注意と体力、反射神経の低下等が事故に繋がる