すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

パソコン店

 かつてパソコンがまだ黎明期で高額な頃は一部のマニアだけの趣味の者として扱われてきた。そしてそうした人たちが出入りする店もマニアックな雰囲気を醸し出していた。そう言ったお店はまたマニアたちの情報交換の場でもあった。

 私がパソコンを始めた頃は所謂Windows3.1の頃でパソコンをやる者としては比較的後の時代になろうが、頃合いとしてはちょうど良かったのかも知れない。今みたいにマシンもOSも完成度が低かったので、やたらとトラブルに見舞われた。そのくせパーツは馬鹿高いから、ちょっとパーツ交換をしたり、周辺機器を追加しようものなら、えらく懐が痛む思いをせねばならなかった。

 今みたいにネットで中古品が安く手に入る訳でもなく、またパソコンをする人そのものの数が少ないから、中古品なんてそんなに出回ってない。しかしそれでも少しでも安い物を求めてパソコン店まで足繁く通ったものだ。

 98マシンならともかく、PC/AT互換機のパーツには相性が有ったから、取り付けて必ずうまく動作しないこともあった。もうこうなると金をドブに捨てた気分になって惨めだった。それでもパソコンをいじることが楽しくてしょうがなかったのである。

 しかし今やパソコンは家電化して、パソコン店と言うより電気屋さんで売られている。パソコン店はよほどの店でないとやって行くなくなって、大半が消滅した。今から考えるとパソコンは高価であっても、マニアだけのものであって欲しかったような気もするのだ。自分たちだけの世界に浸れたのだ。他の人が出来ないようなことをしているようで、優越感みたいなものがあったのかも知れぬ。

 OSやマシンを自分流にアレンジして使うと言うのが楽しかった。いろんな事を試すことが出来た。一つずつ覚えて行くのがまた面白い。ところが今やOSはブラックボックス化してしまったから、簡単にはいじれない。誰でもが手に入れやすく、簡単に扱えるようになった分、マニアには面白みが半減した。若い人はスマホの方に興味の対象が移り、パソコン雑誌などは多くが消滅した。

 あーあ、つまらなくなったなあ。もはやパソコンは大人のオモチャではなくなって、只の道具に成り下がったのである。パソコン店でお目当てのパーツを少しでも安い値段で手に入れようと探し回った頃が懐かしい。パソコン店はマニアだけのものだったのだが、今じゃその怪しい雰囲気は微塵もない。熟々時代の進歩は恐ろしいと痛感するのだった。だがオーディオ同様、もう一度あの時代に戻ってみたい気がするのだ。