我が家は部屋数が少ないせいか壁の面積が異常に広い。建築中に左官屋さんが
「久し振りに塗り応えのある家に当った。これが冬の仕事なら本当に美味しい仕事なんだけどな。」
等と言っていた。確かに我が家はほとんどクロスを使っていない。二階の天井のごく一部だけだ。台所とトイレ、洗面所はチャフ・ウォールと言う貝殻から作った塗料を脱臭効果があるというので使用しているが、その他の壁は和紙を貼るか珪藻土を塗ってある。ここで建築の際少々ミスったのはこの壁の中程に何カ所か釘を打てるよう下地を入れ忘れた事である。為に壁と壁の境の桟に釘を打ち、そこからパネルや額をつるさねばならなくなった事だ。これはちょっと下げる紐や鎖が見えるのであんまり見栄えは良くないがやむを得ない。折角壁がそこら中にあるのに使わないのは宝の持ち腐れみたいな物だ。で、つるすパネルや額はいくらでもあるのだが、そうかと言って折角家を新しくしたのだから何でもいいという訳には行くまい。まずは私の好きなマリリン・モンロー様のお写真をと思っているのだが、持ち前のノメシコキな性格が災いして中々壁に掛らない。また階段の真正面には山を撮影した大きなパネルを取り付ける予定だったが肝心の写真が今もって決まっていない。これは一つにはかなり大きく写真を引き延ばさなければならないのでアラがわかる恐れがあるからだ。引き延ばしたらピンボケしていたなんてね。金をかけて延ばしたのに失敗作だったなんてそれじゃ困るってもんですよ、あなた。てな訳で金が掛るのと失敗作だったらどうしようと未だにパネルを作る事が出来ない。本当は家のそこら中に写真や絵を飾ってギャラリー風にする予定だったんだけど・・・・・肝心のお絵かきは最近まるでやらないので作品はできてないし、額代も馬鹿にならないし、いつになったらギャラリー風になることやら。やっぱり丸い物が無いとアキマヘンか？
