教師の再就職が決まったＫさんが給与計算のため履歴書を提出しなくてはならなくなった。過去の教師歴、講師歴を書く訳だが書き込み欄が非常に狭い。まず手書きではあんな狭い欄に間違いなく書く事は不可能だ。そこで私に依頼しに来た。この男は麻雀ゲーム以外滅多にパソコンを使わないから、何かパソコンを使わなければならない事があると必ず我家にやって来る。
取り敢えず向こうが用意した書類をスキャナで読み取り、書き込み欄は拡大して文字を打ち込んで行く。途中Ｋさんは色々やり方を私に聞いてくる。同じソフトが入っているんだから自宅でも出来そうなもんだが、前述の通り滅多に使わないのでやり方を覚えていないのだ。あーあ、今日は天気が良くて絶好のお散歩＆キノコ採り日和なのに、何の因果でこんな事せにゃならん。ぼやきながらも面倒見のいい私は懇切丁寧に教えてあげる。これ生徒よ、しっかり覚えろよ。
何枚か書き上げるとお昼になった。お昼を食べに行こうという事になったが、何とＫさんが奢ってくれるという。
「いいのか？貧乏御家人の分際で。」
「何を！無職浪人風情が余計な心配をするでない。」
と敵もやり返す。久々に外食でラーメンを食べました。考えてみれば最近はカップ麺か、即席麺を使った自家製ラーメンばっかりだったもんなあ。
午後からもＫさんの悪戦苦闘は続く。一方私はお昼を食べた後なので、本を読んでいると自然に眠くなってくる。うつら、うつら・・・・いい気持ち。
「あー、画面がおかしくなった。文字が消せんぞー！」
「あ？このヤローめ。人がいい気持ちで眠っているのに大声出して起こしおって。けしからん奴だ。」
お昼は奢って貰ったからもう親切に教えてやる必要はないのだが、ま、いくら何でもそれでは我が根性を疑われるから一応手伝う。今度は夕飯を奢って貰うべえ。
ところでパソコンはコピペが出来るので仕事の能率が上がる。何よりも手書きと違って修正が簡単に出来るし、見栄えもいい。改めてパソコンは便利だなーと痛感するのでありました。彼がもし手書きでこれをやっていたら、今頃はきっと発狂していたに違いない。それにしてもＫさんよ、たまにはちゃんとパソコンで仕事をして、ちょっとはソフトの使い方を覚えておくれ。なおＫさんは夕飯前に帰って行きました。（あら、当てが外れたわ）
