雨も降ったのでそろそろハタケシメジでも出ていないかなあと思い、Uさんと性懲りもなく探しに出かけた。だがぜ〜んぜん出てる気配はなく、またしてもワラビ採りになるのであった。
「あー、あっちぇ!ここにいるとサウナに入っているようだ。とっととずらかろう。」
ある程度ワラビを採ったのでキノコはなかったが引き揚げる事にした。木立の中の道は比較的涼しい。
「今年はこんなに暑いからこの時期にハタケシメジは出ないかも」
と言いながら歩いているとUさんが
「あれ、このキノコ何だ?変なキノコがある」
と立ち止まって言ったので
「どれどれ、おじさんに良く見せて御覧」
と近くへ寄って見た。
「う〜ん、これはイグチ類だが図鑑で見た事があるな。取り敢えず写真に納めておこう。」
また先を歩いて行くと今度は先ほどの物よりもっとカサの開いた同じキノコを見つけた。まあ、ちょいとグロテスクなキノコだから流石に食べられないだろうと思い、キノコはそのままに家へ帰って図鑑で調べてみる。するととどうもアカヤマドリの様だ。しかも食べられると書いてある。ナヌ、こうしちゃおれん。私は早速とって返してさっきのキノコを探すのだった。だが大きい奴はすぐに見つかったが最初に見つけた奴が中々見つからない。行きつ戻りつしているうちにまた別な奴を見つけた。ラッキー!おっと喜んでいる場合じゃない。最初の奴を見つけなければ。漸く見つけてキノコ博士のH先生の所へ鑑定して貰いに伺うとアカヤマドリ間違い無しのお墨付きを戴いた。やったべー!これでまたおかずが出来る。(あ〜あ、貧しい奴よのう)
それにしてもハタケシメジを探しに行ったのにアカヤマドリが採れるとは。まさしく「敵は本能寺にあり」だな、こりゃあ。先生が仰るにはこれからはイグチ類が良く出てくるから注意して探すといいとの事。中でもヤマドリタケモドキとムラサキヤマドりタケは味がいいそうな。これは頑張って探さなくては。と言う訳で真夏のキノコ採り、これからが本番でーす。