町内のSさんからレコードを戴いた。彼は私と同い年で私同様オーディオが趣味でジャズが好きだが、レコードプレーヤーはとっくの昔に暇を出した。従ってレコードだけ有ってもしょうがないというので、私にくれたと言う訳だ。
見るとずいぶん懐かしいレコードがある。ドーナッツ盤も有った。世代が同じでポップスが好きだったから、同じ様なレコードを買っていた。ただ私の方がその頃はずっと貧しかったから、こんなに沢山は買えなかった。ペレス・プラード楽団やお馴染みサイモン&ガーファンクル、ビートルズ、ベンチャーズ、シカゴ、etc。日本の歌謡曲も有った。まあこれなどどうでも良いが、ドーナッツ盤は案外貴重なのですよ。欲しい人に売りつけよう、イッヒッヒ。
Sさんの前でかけてみた。懐かしそうだったからアナログプレイヤーを買えばと言ったのだが、SさんはLP盤にはもはや未練が無いらしい。まあ人によってはアナログ・レコードのチリチリ、パツパツと言う雑音が嫌いな人がいるから、しょうがないけど、オイラは全然気にならないぞ。少しくらい雑音を出したってLPはCDよりもっと存在感の有る音を出してくれるから好きだ。
CD時代になり皆LPを捨ててCDに走っているようだが、私に言わせれば宝を捨ててゴミを拾っているような物だと言いたい。実際アナログ回帰がこの所進んで来ている。ハイレゾ音楽(ハイ・レゾルーション)なる周波数特性を広く録った新しいメディアが登場してきているようだが、何の事は無い。アナログに近づけただけだ。裏返せば今迄のCDの規格が失敗だったと言う事を証明したに他ならない。
一体オーディオは進歩したと言えるのか?単に記録方式を変えただけなら意味があるまい。そして以前から言っている事だが、CDなどのデジタル音楽の普及により、音楽その物の質が低下した事が問題だ。最近は良質な音楽番組がほとんど無い。少女達が束になって歌ったり飛び跳ねてる様な歌が幅を利かせているようでは先が思いやられる。悪貨は良貨を駆逐する。音楽に携わる人間も良い歌、良い曲を作ろうとする意識が欠けてきたのかも知れぬ。もはや新しい歌には期待すまい。昔のLP、SPレコードをひたすら聴いて音楽がまだ良識を持っていた時代に戻るとしようか。