すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

12月の音

 12月の音はめまぐるしい。風の音がゴウと鳴ったかと思えば、雲を呼び雷鳴が響く。あっという間に大粒の雨が降ってきて屋根や壁に当たり、盛大な音を立てる。これが霰に変わると一層けたたましい。12月の音は賑やかだ。

 だがこんなに賑やかな音を立てていても雪が降るようになると一変する。最初はヒュー、ヒューと鳴っていた風がいつの間にか聞こえなくなると、知らぬ間に雪に変わっている。そして一気に静寂の世界に早変わりする。

 今度は雪の積もった道を車や人が通るかすかな音が聞こえるのみだ。そして夜が更ければ辺りは一切が無の世界になった如く何も聞こえてこない。
翌朝起きて見ると外は前日と打って変わった銀世界だ。12月は音も光景も一瞬で変わる。

 余談だが私はこの11月下旬から年末頃までの季節が一番嫌いだと言う事を以前書いた。それは嘗ての私の仕事が外仕事であって、この季節は殊更難渋したからだ。雪が降り積もった1月ならある程度腹も据わり、覚悟も出来ている。またあと2ヶ月の我慢と言う事もあって前途に光明が見える。ところがこの12月という時季は果たして今後どれ位の雪が降るか、寒さは長く続くのか等と皆目見当が付かないから悩ましい。

 で、朝起きてこの12月の賑やかな音を聞くと、仕事に出かけるのが嫌になるという具合だ。さりとておまんまを食うためには出かけなけりゃならないのだが、でるまでがホントに億劫だ。仕事に掛かってしまえばもう性根を据えてしてしまうのだが、取りかかるまでがねえ・・・・・。

 そう言う訳で12月の賑やかな音は私にとってはホントに嫌な音だったのだが、仕事を辞めてからは、これがさながら一曲の交響曲か何かを聞いているようで真に面白い。動から静に変わって行く様、そして静からまた動に立ち返る。身を置く立場でこんなに聞こえ方が違うものか。殊更夜の音は一段と表情が見えるようだ。さて厳しい12月の音が雪が溶けて陽が注ぐ柔らかな音に変わるのはいつになるでしょうかねえ。