すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

兄のカメラ(長いです。スンマセン)

 兄と私は間に姉がいる関係で8歳離れている。だから当然喧嘩しても歯が立たなかった。兄は最初の子供だからか今から考えると随分好き勝手な事を許されていたと思う。鳩を飼ったり、小鳥(ヤマガラ、カナリヤ等)を飼ったり、さらには鶏迄。雄鳥だった為、時を告げるので随分と近所に迷惑を掛けたものだ。ラジオを作ったり、釣りをしたり、もうやりたい放題。

 それに引き替え私は不精なのか不器用なのか一切そういったことには手を出さず、来る日も来る日もお天気で無い限り漫画ばかり読んでいた。さてそんな好き放題していた兄は高校の時修学旅行に行かないでいいからカメラを買ってくれと父におねだりした。父はみんなと一緒に修学旅行に行った方が良かろうと言ったのだが、カメラの欲しい兄は納得しなかった。買ってくれたら働いてから返すからと言う条件付きで父に無理矢理買わせたものだ。やれやれ父も貧乏なのに泣く子には勝てなかったみたいだ。いつの時代も子供とは我が儘なものですな。

 さてそうして買ったカメラはミノルタレンジファインダーカメラで、その後何かと兄は写真を撮りまくっていた。しかし今みたいにデジタルでは無いから当然現像代やプリント代は掛かる。一体その費用を何処から捻出したんだろう?まあ夏休みや冬休みともなるとアルバイトをしていたようだから、おそらくそれでどうにかしていたのだろう。
 
 さてそんな兄も就職した。例の約束はどうなった?はい、当然守る訳が有りません。そうこうするうちに兄は転勤する事になり、お隣の長岡に行ってしまいました。こうなりゃ尚更返す訳が有りません。つまり貰い得ですな。

 月日は流れ私も高校生となり修学旅行に行く事になった。兄はもうその頃は別のカメラを買ったのか、気前よくそのミノルタのカメラを私にくれた。男なら誰でもメカが好きと思うのは大間違いで、先に述べたように私は漫画少年だったからそんな物に興味は全くなかった。ただそれでもやはり男。機械に触れると何となく楽しくなる。

 一応兄に使い方を教えて貰って実戦に臨んだのだが、そもそも原理が良く分かってないからどうにも失敗写真が多い。ピントはともかく露出に対しては全くの無知だったから、曇りの日などどうにも写真が暗く上手く撮れてない事が多かった。これじゃ折角同級生の写真を撮ってやってもはいどうぞとプリントしてやれませんがな。同級生はその頃もうペンタックス一眼レフカメラなんか持ってきているので上手く撮っているようだ。私は自分の不勉強を棚に置いてレンジファインダーカメラの使いにくさを呪った物だった。

 それからカメラは苦手でずっと使わないで来ていた。しかし仕事をするようになると一眼レフカメラを使ってみたくなった。金は当然無い。(いつも無いんだね、アンタって人は)だからお安いのを選ぶ。新聞のチラシにコシナのカメラに標準、望遠、広角レンズを付けて確か2万某かの値段で売っていたように思う。まあセットの特別価格というわけで有る。お買い得に弱いのは昔も今も同じ。まだカメラの使い方なんて本当は良く分からないのに買ってしまった。使い方なんて説明書に書いてあるだろうという軽い気持ちだったので有る。

 さて買って使ってみるとこのカメラが完全マニュアルなのだ。オート機構な〜んも無し。考えてみたらだから安いのだ。しかし超初心者が使うカメラとしては取り扱いにくい。だからこのカメラではしょっちゅう失敗写真ばかり撮っていた。これがデジカメならまだいい。失敗しても消せるから。しかしフィルムカメラは現像するまで失敗したかどうか分からない。結果無駄な出費を何度した事か。

 で、またもや私はカメラから遠ざかった。しかしまたほとぼりが冷めるとまたぞろカメラを買おうかなと虫が騒いだ。今度はちゃんとしたニコンのカメラで当然オート機構は有る。んでまたもやお得なレンズ三本セットににカメラバッグがついた奴。(懲りない人ですな)で今度は失敗しないかというとさに非ず。パノラマ写真に設定しておいたのを忘れて、パノラマにする必要が無い写真を撮ったり、ストロボを使う時シャッター速度を1/60秒に設定し忘れて幕切れを起こしたりといつになっても上手くならないので有った・。

 そうこうするうちにお山へ行くようになり三本セットなんぞ持って行けないので望遠一本で済む焦点距離の長いレンズを中古で購入した。これは便利だった。以来飛躍的に写真を撮る機会が増えた。そうなりゃ下手な腕も少しはマシになるという訳で・・・・。

 ただそうなると今度は現像代やプリント代の費用がかさむ。だから私が他人よりも早くデジカメを購入したのは当然の流れで有った。デジカメは何でもオート化されてそれこそ誰にでも撮れるように出来ている。しかしここへ来て何故だか知らないが、最初に兄から貰ったカメラが妙に懐かしい。そう言えばあのカメラ何処へやったんだろう。今だったら結構使いこなせそうな気がするのに・・・。レンジフィンダーのカメラなんて今では使っている人は希だろう。でも便利で無い物にどうして魅かれるんでしょうね。機械任せにしないで本当に自力で撮っているからいいのかな?ま、人間という動物は分かりませんね。