すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

櫛の歯が欠けるように

 また一人小学校以来の友人が亡くなった。彼とは中学時代は同じクラブであったし、高校の時も結構交流はあった。大学時代など帰省した時には自らが書いた小説を私に読んでくれと持って来た物で有る。

 

 しかし大学を卒業しこちらへ戻ってきてビデオ屋を開店した頃までは行き来があったのだが、閉店してからはすっかり遇うことが無くなっていた。高校の還暦同期会や3年前に行った中学の同期会にも出席しなかったのでどうしたのかなと思っていた。

 

 まさか70歳で亡くなるとは夢にも思わなかったが、せめてもう一度亡くなる前に会ってあれこれ語り合いたかった。彼は結構自尊心の強いタイプだったから、自分がそれ相当の社会的地位に就いていないとみんなとかを会わすのが嫌だったのかも知れない。もしそうだとしたら何と寂しい話ではないか。

 

 旧友と会うのに今の社会的地位など何の関係も無い。ただあってお互いを懐かしむだけで事足りるのだ。歳月がお互いを引き離したのだとすれば悲しいことである。魯迅の小説「故郷」の主人公二人のような関係を思わず想起してしまった。

 

 ともあれ齢70を越えると櫛の歯が欠けたように一人、また一人と旧友が亡くなっていくのが堪らない。こう言う寂しさを感じないで要るには自分の方が先に逝ってしまうに限るのだが、往生際の悪い私は中々死ねない。まあ、いずれお迎えが来る時は確実に訪れるのだから、その時はじたばたしないで安らかに眠りたいと思う。