すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

株価と景気

 この3月4日に日経平均株価は年初来の高値を付け、30年ぶりに4万円台の大台に達したそうな。してみると企業業績はそんなに悪くないのかも知れぬ。にもかかわらずその恩恵がこちらにちっとも廻ってこないとはどう言うこっちゃ?

 

 嘗て故安倍元首相は言った。企業業績が良くなってくればその恩恵で庶民も潤うようになると。しかし幾ら待っていてもとうとうその効果は現れなかった。否、益々貧富の格差がついたように思われる。

 

 嘗てこの「景気のしずく効果」でコーさんと議論したことがあった。コーさんはまず企業が潤って初めてその効果がしずくのように庶民にしたたり落ちるのだと安倍さんの意見を踏襲していた。これに対して私は民が富まないでどうして景気がやって来るのだと反発した。

 

 結果はこれだけ待ったのに依然として景気はやって来ない。株高なんて何処の国の話だと言いたくなる。例え株高であっても景気の実感は湧いてこないどころか、益々悪くなって行く感じだ。昨年から徐々に物価が上がり始め、買い物に行ってもそれを実感する。給与は漸く少しずつだが上がる気配がある。しかしまだ景気を押し上げるほどには行っていない。

 

 この長い不景気の原点はそもそも小泉元首相と竹中平蔵元経済政策担当相にある。彼等が労働法制を改革して派遣労働を大幅に増やす方向へ舵を切ったためだと思う。それまでは日本は終身雇用制度の下、働いていたから収入が安定し、このためある程度消費に回しても安心していられた。

 

 ところが派遣労働者が増えるに及び、企業内で培ってきた技術は先に伝えられること無く、中国などの他国に流れてしまったり、労働組合員の減少に伴い、交渉力が弱まり、賃金などの昇級は見込めなくなり、デフレ時代に突入する。

 

 無論私も終身雇用制に諸手を挙げて賛成という訳では無いが高度成長の一翼を担ってきた物だし、日本という国にはこの制度が合っていたように思う。しかるに派遣労働者数は急激に増え、雇用は決して安定化していない。少子化も正社員数が減ったのと関係ないとは言い切れまい。そもそも経済的に安定していない相手とどうして結婚する気が起きようか。

 

 政府が少子化を嘆くより反省しなくてはならないのは、自らがそうなるような施策をしてきた事である。失われた30年はあまりにもその被害が大きすぎた。経済格差は益々拡大し、富める者と貧しき者の二極化が顕著になった。このままでは日本経済は成長するどころかどんどん世界に置いてゆかれるだろう。

 

 民が富まずしてどうして景気ががやって来ようか。まず庶民の懐を裕にする施策を行わなければなるまい。しかし議員先生方は己の懐を豊にすることばかりに夢中で、これで果たして日本の未来を任せられるのかと不安になる。

 

 まずは税制改革だ。消費税の税率を下げ、消費に向かわせねばなるまい。さらに雇用の安定化だ。その為には企業に派遣労働制では無く、正社員を増やすように指示すること。戦争準備のための兵器の爆買いなどは止め、災害対策にお金を使って戴きたい。そうすれば災害が起きた時の被害を少しでも食い止めることが出来る。

 

 でも今の政府じゃ絶対そんな事はしないよなあ。何せ裏金作りに熱心なお人ばかりだからね。