午後久し振りに当家オーディオ顧問のヨーさんが遊びにやって来た。はい、ヨーさんが来れば当然オーディオや音楽の話になりますわな。で、この間頼んだグレイの質量分離型アームの取り付けに関することやら、ヨーさん製作の新型トランジスタープリアンプの事など多いに話は盛り上がった。
そしてこの間フーさんから購入したエレクトロ・ヴォイスの38cmフルレンジスピーカーなどをしっかり聴いて貰った。さてそうこうするうちにヨーさんが聴きたいSPレコードを選んで貰って掛けることにした。
SPレコードなら当然聴くスピーカーはウェスタンですね。555ドライバー+21Aホーン、それとフルレンジで鳴らしている18インチのジェンセンのフィールド型スピーカー。アンプはヨーさんに作って戴いたEL33プッシュプルのモノラル専用プリメインアンプ。これで聴くSPレコードはやはり最高です。つまり楽器に近い鳴り方をするのです。もうこれを聴いたからには今日はLPレコードは聴けませんな。
音の力、浸透力、艶、全てに置いてLPレコードとは違います。もう周波数特性がどうだとか、SN比がどうだとか一切関係ありません。ただもう音楽に身を委ねていていいのです。外はそぼ降る雨だが、昼下がりの午後、室内でこうやって音楽に浸っていますと、ゆっくりと時間が流れて行くようです。
ロッテ・レーマンの歌うシューベルトの「アヴェ・マリア」、フォイアマンの弾く「チゴイネルワイゼン」、フーベルマンの弾く「アンダルシアのロマンス」など久々にSPレコードでじっくりとクラシックを聴きました。
今や携帯音楽プレーヤーやCDラジカセなどで簡便に音楽を聴けますが、こうやってしっかりとした装置でじっくりと聴くのが本来の音楽を聴く醍醐味ではないでしょうか。そして中々SPレコードの良さを分かってくれる方が段々少なくなって行くのは残念です。いい音といい演奏。それ以外に何が有るのでしょうか? ステレオで有る必要は有りません。寧ろ編成の小さい物ならモノラルの方が良い。集中して聴けます。
図らずも亡くなった友達から戴いたSPレコードの枚数は膨大ですが、少しずつでも聴いて行きたいと思っています。
フーベルマン「アンダルシアのロマンス」
フォイアマン「チゴイネルワイゼン」