すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

キノコ鑑定士

 キノコを鑑定してくれる人をキノコ鑑定士と呼ぶ。大抵一つの市に一人くらいは居るものだが、我が柏粼市はH先生が長年担当している。他にも何方かいらっしゃるかも知らないが、私は知らない。

 さてキノコシーズンともなると、毎日のようにH先生の所へ保健所の職員が鑑定を御願いに来る。保健所で判断出来ないものかとは思うのだが、職員にしてみたら自信が無いのだろう。つまり食べられないキノコを下手に可食と判断して中毒を出したら、それは自分や保健所の責任になるからだ。

 だが最終的には誰かが判断を下さなければならない。この点では判断を任されるH先生は凄いと思う。私達や保健所の質問に対して速やかに判断し、ご自分がハッキリとは分からないものは食べない方がいいとの指導をする。

 さりとて何でもかんでも不食の結論を出す訳にも行かぬ。この辺りが実に難しい。保健所の職員が中々覚えてくれないと嘗てH先生はこぼしていらした。無理もない。ご自身は高齢だから、いつまでも鑑定出来るものではない。おんぶにだっこでいつまでも保健所職員が同定出来ないようでは嘆かわしい。

 この間も私が先生の所へ訊きに行った折、たまたま保健所職員もキノコの鑑定依頼に来た。だが私でさえ分かるキノコまで尋ねているようでは職員失格だろう。キノコの鑑定はやはり多くのキノコを見る事と、本で勉強する事の繰り返しだろう。机上の学問だけでなく実践がより一層大切だ。また時には自ら食して見る事も必要なのではないか。そうでないと永久に自信はつくまい。

 この間の戸倉山登山の折り、やはりキノコを採ってぶら下げていたグループが有ったので
 「何が採れました?」
と尋ねた所
 「わからないけど一応食べられそうなので採ってきました。鑑定して貰えますか?」
と御願いされた。見たらムキタケだったので、毒キノコのツキヨタケとの違いを良く説明してあげた。この時グループのうちの一人が我が意を得たりとばかり、私の説明に激しく同意してくれたが、この方はじゃあ自分でハッキリと可食と断定出来るのか言うとそうではあるまい。たまたま私という少し詳しい人間が居たから賛同出来るのだ。他人に可食と言えるのはそれなりに自信と経験が無ければ言えるものではない。

 それだからこそ、H先生は尊敬出来るし凄い方なのだ。私もH先生がいなかったらどうしようと思う時がある。けれどいつまでも先生ばかりに頼っていられない。自分でも先生の意志を継いで?勉強しようと考えるこの頃である。そしてキノコ鑑定士が増えてくれたらと思うのは私だけではないでしょう。それにしても鑑定士って何でも大変ですね。