すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

車で通る夜の道

 いつも感じるのだが夜の道を歩いて通る時と車で通る時とではまるで印象が違う。歩いている時は単に昼間の光景が夜景に変わった位にしか感じないが、車で通ると別の街に入り込んだ様な錯覚に襲われる。自分が運転する車ならまだ歩いている時の感じ方と然程変わりないが、他人が運転する車となると、丸っきり違った光景に見えるから不思議だ。

 いや違って見えると言うより、確かにその地点、地点は見覚えのある景色なのだが、それらのつながり方があやふやになってくる。つまりどう言う道順で走っているかが皆目分からなくなるのだ。目的地に着いても何となく着いた感じで、果たしてこれがその目的地なのかと思わず疑ってしまう。

 この感覚は私だけなのだろうか?昼間だと他人が運転する車でもそう言う感覚にはならないのに、何でだろう? 以前夜の列車に乗っていてやはり同じような感覚に襲われた事がある。それはまるでその列車が知らない町へ私を誘っているような不思議な感覚だった。どうしてそう言う感じ方になるのか? 夜の光と闇が私にある種の錯覚を起こさせるのか、またこの感じ方は私だけなのかは良く分からないが、怪しい郷愁を蘇らせてくれる。

 ひょっとしてそのまま知らない世界に飛び込んでみたいという私の潜在意識がそうさせるかも知れないが、このある意味蠱惑的な時間も長くは続かない。目的地へ着くと現実の世界に引き戻されるのだ。まるで麦焼酎「二階堂」のCMみたいに半モノクロームの世界から戻ったかのようだ。

 で、今日も今日とてその世界を味わった。お通夜の帰りの道、久々にその感覚に襲われた。無論宛先の無い夜の旅の感覚は先ほども述べたように僅か十数分で終わった。こんなに度々こう言う感覚になるのはやがてこれが現実になると言う裏返しなのでは無いかと考えてしまったりもします。でもこんな感覚になるのが本人は案外気に入っているんですけどね。