Mさんから放送局の機材入れ替えに伴う不用機材のテープデッキを戴いた。無論壊れているから廃棄した物だが、あまり傷がない美品だから、多分使用頻度が少ないうちに、経年変化で駄目になったのだろう。勿体ない話である。
型番はTEACのX−2000M。2トラ38機で4トラ再生も出来る優れものである。新品当時は23万した代物である。それを碌に使いもせず(多分)廃棄処分となったのだから、可哀想である。そもそも何の意図でこのテープデッキを導入したのか分からない。2トラ38機と言えば、私の世代は生録が浮かぶ。しかしこのテープデッキを果たして録音現場で使ったかどうか甚だ疑わしい。あまりに綺麗なのだ。最初に他の放送用機材を購入する時に業者にそそのかされて一緒に買ったのかな?(笑)
2トラ38テープの再生用にでも買ったのなら、まだ話は分かるが、局にはそう言ったテープも無いようだから、購入目的が分からないのである。まあ、今となってはデジタル時代だから、こんな物はアナログ党の我々でも無ければ、直して使おうなぞと誰も思わないだろう。
で、試しに電源を入れて回してみた。思った通り、ピクリともしない。しかしテープに一定のテンションを掛けると回り出す。こんな風に色々構っていたら、早送り、巻き戻しはスムーズではないながらも動くようになった。恐らくベルト類が伸びたか、油脂が固まっているのかも知れない。頻繁に使っていれば、ちゃんと動いていたことだろう。
車でもそうだが、使わないでいたらそのまま性能を維持出来る物ではない。使わないと反って調子が悪くなる物だ。だから使う機会が無いからと言って、全然動かさなかったのは拙かった。もし動かす機会が滅多に無いのなら、各ベルト類は外しておくべきなのだが、レコードプレーヤーと違って分解しなければならないから、確かにちょいと面倒臭い。
それを考えれば定期的に動かすべきなのだ。使える機械をみすみす動かなくしてしまう。あー、勿体ない。でもこちらはお陰で楽しめる。まあ、ちょっと頑張ってみて駄目なら、またテープデッキの修理が得意なSさんにでも頼んでみよう。このまま使えなく廃棄するには惜しい。お高い機械は骨の髄までしゃぶらなくちゃあね。(笑)