すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

腕立て伏せ

 高校を卒業してから私は20年間仕事をしながら家庭教師をやった。高校時代の同級生S君がやっていたのを頼まれて引き継いだのであるが、今思えばとても人に教えるなんてほどの頭脳の持ち主で無いのに良く引き受けたなと汗顔の至りである。

 

 最初は頼まれた二人だけを見ていたのに、私のオヤジ殿が仕事先で

「この子は良い子で私の仕事を手伝ってくれながら夜は中学生に教えているんです」

などと余計な宣伝をするものだから、その後どんどん生徒さんは増えていった。尤もその当時の大学生が教えた場合の謝礼の5分の1くらいの値段でやっていたから、頼む方は塾の月謝並みなら頼むのが当たり前みたいなものだったと思う。まあ、私の教え方がいいか悪いかは頼む親御さんの方は考えていなかったのかも知れません。(笑)

 

 それはともかく、私は教える科目は数学と英語に決めていた。他の科目は理解出来ないと言うより暗記出来るかどうかの問題だったと思うので、この二科目に限定したのだ。まあ引き継ぎを頼んだS君は数学しか教えていなかったが、私はその当時自分でも英会話を勉強していたから、多分教えたくて溜まらなかったんだろうと今にして思う。

 

 さてその英語の授業では必ず最初に英単語テストをやった。英語の試験が筆記が主体であるならば単語のスペリングを覚えるのは必須である。尤もこれは中学時代の恩師を真似た手法ではあるが。で、その出し方としては今迄習ったなから10問出題して合格点は7問正解と言うものである。従って先へ進むにつれ単語の数は膨大になるから勢い難度率は上がる。まあしかし、そのくらいで無いと筆記試験で高得点は望めないから敢えてそう設定した。

 

 え、合格したら何かご褒美は有るのかって? そんなもん有る訳おまへんがな。(なんでそこで急に関西弁になるの?)知識が身についた、それがご褒美ですがな。じゃあ不合格の場合はだって? ふふふ、これがまた有難い罰ゲームが待って居るんですな。

 

 それは腕立て伏せ50回です。当時は私の教えていた生徒は皆男の子だったから、これを課したが、果たして女の子だったらそうする事が出来たか甚だ疑問ですな。ま、それはともかく最初からこれをやりおおせた生徒さんは中々いなくて、大抵休み休みやったもんです。

 

 中には僅か10回はおろか数回も出来なかった生徒さんがいるのには驚いた。小学校時代何をしていたんだろうね。まあ、そういう訳で脳力が駄目なら筋力が付くようにしてあげようという有難い家庭教師心ですな、これは。(単なるイジメじゃねーの?)

 

 この腕立て伏せはみな流石にやりたくないので一所懸命やってくるようになった。(笑)しかし、私はさせたいから意地悪な出題をして、たまに不合格にさせる。あー、楽しいよ~ん。(悪趣味じゃ)その甲斐あってか、皆そのうち腕立て伏せ50回を平気でクリアーするようなった。あー、つまらん。(コラッ!)

 

 この特訓のお陰かどうかは分からないが、私から習った生徒は皆英語の成績が飛躍的に良くなった。腕立て伏せの効果抜群。んで、時は流れて或る日私は嘗ての教え子U君と遭遇した。訊くと彼はやはり仕事をしながら家庭教師をしていてるとの事。そして英単語テストを私と同じようにやっていて、不合格者には腕立て伏せを課すという。

 

 彼曰く、「あれが一番効果がありますよ」との事。う~む、まさか私の手法を受け継ぐ者があろうとは。(笑) こうなってくると、これはもう伝統ですな。ひょっとしたら彼から習った生徒さんがまた同じ様な事をしているかも知れん。そう考えると今は懐かしい思い出です。

 

うーん、き、きっつい~! 

知力が付かなければ体力が付くようになって居るのです。有りがたく思いなさい。(勝手な事言ってる)

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