定年退職で地元の放送局の仕事から離れたマーさん。もうお歳なんだから家で悠々自適しててもいいのだが、余りぶらぶらしてるのは性に合わないと再就職先を先頃から探していたのだが、漸く見つかったと私に伝えに来た。
まあ再就職と言うよりアルバイトみたいな物だ。何せ私より2歳しか年下でないから、おいそれと再就職が叶う職場はそうそうない。そんな時新聞のチラシに入ってきたのが「遺跡掘り」の仕事。これは言ってみれば遺跡発掘の臨時職員採用だ。だからその発掘現場が終われば一応お払い箱となる。この辺の仕組みはうちへよく遊びに来るウーさんが嘗てその仕事をしていたからご存じだ。
で、その仕事を見つけたから私に一緒に行かないかとマーさんは誘う。いやなこった。そんなのに行けば曲がった腰が尚更曲がるではないか。これ以上曲がったら二つ折り携帯電話みたいになってしまうべ。まっぴら、まっぴら。それにオイラはもうノメシコキ状態になっているから、今更仕事なんてしたくないよ～ん。マーさんだけ行っておいで。（あら、薄情）
と言う訳でマーさんは遺跡の発掘現場で働き出した。遺跡掘りというとかっこいい仕事のように思えるが、とんだ誤解でまあ、土木工事の土方と同じですな。まだ真夏でないから少しはいいが、真夏だったら熱射病に掛かる危険性も十分ある。第一結構力仕事だし、足下は泥濘んでいる事が多いし、泥だらけにはなるしで中々大変なのだ。
だが外人間のマーさんはこの仕事がそんなに嫌いでもないみたい。何より何か出て来るかも知れない。或いは住居跡でもハッキリした物が見えてくるかも知れないと言う事で興味津々なのだ。そして彼は自衛隊出身だけ有って中々粘り強い。結構頑張る事だろう。
だがそんなマーさんでも慣れない仕事で、況してや高齢とあっては体の方も悲鳴を上げるという物だ。今日も今日とて我が家に来て「ゴロゴロ」(フランスベッドのスリーミー・ローラー）を貸してくれと言う。これで体を伸ばしてリフレッシュさせて明日からまた頑張れるとの事。
まあ今の仕事が果たしていつまで続くのか。冬に入ったら入ったでこれもチビシイよ～ん。まあ雪が降れば発掘は止めになるけど、雨が降ったら工事は中止と言われていたのに昨日は有ったそうだ。工期が遅れているのかも？ それよりも何よりも最初は12人いたメンバーが昨日は8名、そして本日はたった4名だったそうな。高齢者が結構遺跡発掘現場は多いからそうなるんだよね。まあ、いずれにしてもマーさんがどれだけ頑張れるか高見の見物ですな、イヒヒ。（イジワル～）
遺跡掘りというとこんな事してると思われるかも知れないが、これは学者の先生。
その他の皆さんは命令されるまま穴掘り作業が中心です。金を稼ぐのはそんなに甘くない。（涙）
