とにかく様々な蓄音器が置いてあるが手を触れるのは厳禁である。手を蓄音器の側に持って行くとジリジリリンと警報音が鳴る。(笑)オイタは駄目よ~ん。私も見学に来ていた他のお客さんも見事にならしてしまいました。
これはお客さんが右の台のボタンを操作して蓄音器のラッパから音を出すようになっている。実際にレコードを回して音を出す訳じゃないけど,これはこれで楽しい。
どうもこれはシリンダー型のオルゴールらしい。
初期の蝋管型蓄音器と蝋管の数々。蝋管型は録音する時と再生する時とでは針を替えて使っていた。こうしてみると蝋管型は録音機でもあった訳ですな。
蝋管型はエジソンによって発明されたが、次第にその地位を円盤形を発明したベルリナーの物に奪われて行く。
蝋管型は縦振動で音溝を刻んで行くのに対し、円盤形は横振動で溝を刻んでいった。蝋管型は場所を取るし、製造コストが高く付くのに対し、円盤形はスタンパーで簡単に複製を作れるので安価なため普及していった。しかもそのため当時の歌手や演奏者がこぞって円盤形の方へ録音したのでエジソンも止むを得ず円盤形に移行した。しかし彼はあくまでも縦振動に拘ったのでとんでもなく厚いレコードを作ったので当然これも普及しなかった。要するに彼は音楽に拘るより音に固執したのでありますな。やはり彼は技術者でしかなかったようです。
確かに円盤形は外周と内周とでは回転スピードが違ってくるので、当然音の情報量が違うし、また内側である程音が歪みやすくなります。だからこそエジソンは蝋管型に拘ったのでありますが、製造のしやすさ、買い求めやすさまでは考えなかったようです。
壁に陳列されたSP盤の数々。
これなんか日本のレーベルですがちょっと面白いレーベルです。様々な絵柄があります。
蓄音器の針を入れる缶ケースも色々なデザインの物が有って、これだけを収集する人もいるようです。
これらはコンソール型で皆大型の物ばかりです。本格的に再生したい場合は卓上型に満足せずこちらを用いたようです。しかし当時はかなりな高価格でした。
HMVの193型。202、203型には及びませんがこれも名器です。特に弦楽器再生に優れています。
さていよいよ名蓄音器による聞き比べです。会場に来ている人達は若い方が多く、私達のように普段からSP盤を聴いてはいませんから皆固唾を飲んで聴き入っています。流石に大型の蓄音器から出る音は迫力が違います。そしてレコードの差ももろに出します。だから盤の状態の悪い物は出来ればかけて欲しくなかったのですが、中にはそんな物も有ったようです。そして聞き比べというならなるだけ録音の良い盤を枚数を少なくしてかけて貰いたかった所です。蓄音器ごとに盤を替えていてはその蓄音器の音の出方がわかりにくいからです。とは言え、やはり大型の蓄音器です。十分に堪能しました。中でもEMGエキスパートと思われる物は流石の実力でした。圧倒的なサウンドです。
惜しむらくは会場に来ていた人達がどれ位その凄さを実感したかはちょいと怪しいですが。(笑)
と言う訳でその後も館長さんと色々お話をして楽しい時間を過ごしました。お土産に各自がそれぞれ本を買って帰りました。お昼は館長さんが紹介してくれた近くのお蕎麦屋さんで美味しい蕎麦を戴きました。
お昼を食べた後は兼六園見物です。私は金沢は初めてだったので是非とも来て見たかった所です。
兼六園がまさかこんな小高い所にあるとは思っても見ませんでした。紺屋坂と呼ばれる坂を登って行きます。通りの向かい側はお土産屋さんや食べ物屋さんなどの商店街です。木立の間から金沢城が見えます。
桂坂口と呼ばれる方から入園します。私達は皆65歳以上なので入園料は只でーす。ラッキー!うーん、年を取るのも悪くないベ。
向こうに金沢城の石垣が見えます。
兼六園お馴染みの霞ヶ池と徽軫灯籠(ことじとうろう)。
兼六園の中はとても広く、駐車時間の1時間ではとても見切れない。適当に回って帰ることにした。まだまだ美術館などを見たかったがそれはまたの機会にすることにした。
ここからだと兼六園が高台にあることがよく分かる。
巨木、老木の多いのもこの公園の特徴です。やはり管理が行き届いているからなんでしょうね。
霞ヶ池を反対側から見る。風情ありますな。
橋を渡って金沢城へ行けます。
慌ただしい日帰りの見学でしたがそれなりに楽しめました。今度は泊まりで美術館巡りなどしたい所です。