すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

蓄音器の音

 最近改めて蓄音器の音の良さを感じている。SP盤を上手く再生した時の音は電気臭くなく、まさに音楽を伝えてくれる。楽器の音がするのだ。やはりアンプを通した音というものはどんなに優れていてもちょっと違う気がする。

 

 無論蓄音器の再生する音が全て電気再生のそれを上回っているとは言い難いが、例えばヴァイオリンやチェロなどの曲を再生するとあたかも目の前でその楽器が演奏されているような錯覚を覚える。してみると再生される音というのは何も周波数特性が良いとかダイナミック・レンジが広いとかと言った事はさして重要では無いのではないか。嫌寧ろ周波数レンジなんぞ狭い方が反ってそれらしく聞こえるから不思議なものだ。

 

 斯様に今から百年近く前の機械がこれだけの再生音を聞かせてくれるのだから、一体オーディオは進歩したのかとも言いたくなる。ひょっとすると今の時代ならもっと優れた蓄音器とSP盤を作れるのではないか。そんな気がしてくる。

 

 無論今のご時世に名器クレデンザと同じ様なものを作れば一体幾らかかるか知れないが、仮に200万円かかっても今のちょっとしたスピーカー、アンプ、CDプレイヤーなどを揃えればそれより高額になる事は明白で有るからそんなに高いものとは思われない。

 

 それよりも問題はソフトの方の盤の問題で有る。回転数は78で良いのか。材質はシェラックではなくビニールで行くのか。大体製造して元が取れるとは思わないが、SP盤を愛する同好の士にでも売り出したら良かろうかと思う。蓄音器の方もサウンドボックスやアームが重いから、もっと軽いものに改良するとか、色々見直す点はあるかと思うが、とにかくダイレクト録音、ダイレクト再生と言った事が実現出来ればかなり行けると思う。

 

 本来アナログはまだまだ改良の余地があったのに安易にデジタルへ向かったのが未だに残念だ。どなたか進歩した新しい蓄音器とSP盤を作ってくれないか。そうなればまた新しいオーディオの世界が広がると言うものだ。

 

我が家のクレデンザは2枚扉。蓄音器ならではの音を聴かせてくれる。