すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

蚊帳の思い出

 今ではエアコンが普及して蚊帳を吊っている家なんぞ滅多に見なくなったが、我々が子供の頃は夏場寝る時は蚊帳を吊るのが当たり前だった。夏の蒸し暑い夜はまさか窓を閉めて寝る訳にも行かないので、窓に網戸をつけてはいるがあちこちが隙間だらけのぼろ家はどうしたって細かい虫などが入ってくる。当然何処からか吸血鬼さん(蚊)も知らないうちに潜入している。

 

 このドラキュラという奴は誠に始末が悪くて、灯りがともっている時は何処かに潜んでいないようなふりをしているが、灯りを消すとぷ~~んと羽音を鳴らしてやってくる嫌らしい奴だ。だから蚊帳無しではとても眠れたもんじゃない。

 

 蚊帳を吊ってからは中に蚊が入っていないか確認して裾を垂らす。まあ垂らす前に蚊取り線香を焚いてドラキュラ共を追い出してから入るのが一番良い。入る時は裾をまくり素早く入る。一緒にまたドラキュラが入ったんでは何にもならない。蚊帳を吊るとちょいとした秘密基地が出来たみたいで、子供心的には何となくわくわくした物だ。

 

 ただ蚊帳を吊ると少し薄暗くなったし、何よりも暑い。やはり網になっているとは言え、部屋の中にもう一つ部屋が出来たみたいになるのでしょうがない。だから蚊帳の中に扇風機を持ち込んでぶん回す。それでも汗だくになって寝ていた物だ。昔の子供はたくましかったなあ。(笑)

 

 今は窓はサッシで出来ているし、隙間もない家が多いから虫なんぞ滅多に入ってこない。おまけにエアコンで快適な夜を過ごせるのだからこんなに有りがたいことはない。だけど蚊帳の中で枕投げなどをして遊んだことが妙に心に残っている。あの頃は何処の家も子供が多かったから、そうやって兄弟で遊んだことが懐かしいのかも知れない。

 

 蚊帳が吊られるとさっさと子供は蚊帳の中へ追いやられてテレビを見ることが出来なかったのが今でも悔しい思い出として残っている。ともあれ、今では滅多に見ることの出来ない夏の風物詩の一つになってしまった。