子供の頃の夏の楽しみの一つはアイスキャンデーを食べる事だった。これは当時確か1本5円だったと思う。だから近所のお菓子屋さん(同期の幼なじみK君のお母さんがやっていた店)に毎日のように買いに行っていた。私の小遣いは一日10円だったから、小遣いの全部をこのキャンデーに当てていたから、如何に私がアイスキャンデーが好きか分かるだろう。
氷水などより遙かに手軽に涼を得られる為にキャンデーは夏のお菓子の定番だった。同じようにアイスクリームも有ったがこちらはカップもバーも1ヶ当たり10円だったので沢山食べられない。その点アイスキャンデーなら2本も食べられる。当時から私は質より量の人間だったのですな。(笑)
さてそのアイスキャンデーだが味には色々あってイチゴ味だの、メロン味だの有ったが、私のお気に入りは何たって小豆で有った。実際に小豆の粒が入っており、これが氷小豆を食べてるみたいで中々行けるのだ。今日みたいな暑い日に食べると本当に美味い。
これを私は舐めるようにじっくり味わって食べるのが好きだった。だから滅多に一度に2本食べる事はないが、たまには豪華に2本買う事も有った。そして兄に唆されて無理に2本買わされた挙げ句、そのうちの1本を詐欺まがいの手口でものの見事に食べられた件は以前書いた。
まあ、とにかく2本も食べようものならすっかり体は涼しくなって暑さを忘れてしまう程だった。エー、その後カップに入った氷菓子の「みぞれ」なんてえ物が出現するに及んで、知らないうちにイスキャンデーは姿を消したように思う。まあ、1本5円だからその当時の物価の値上がりについて行けなくなったんでしょうな。採算が取れなきゃ1本10円だって構わなかったのに・・・。
今はお菓子屋さんにアイスキャンデーなんて売っているのだろうか? 似たようなものは有るかも知れないが、私は当時のアイスキャンデーが食べたいのである。小豆のアイスキャンデー、カム・バーック!
ちょっと私が食べていたアイスキャンデーとはイメージが違うが、我慢して食ってくんろ。