ウーさんが遊びに来て「畑は行ってきた?」と尋ねるので、
「うん、行ってきたけど、それでさあ頼みが有るんだ」と私が言うと
「ズッキーニ貰ってくれって言うんでしょ。」
な、何で分かるんだ。アンタは”サトリ”か。
「どうせ、すかんぴんさんの頼み事ってそんなものよ。」
またまた巨大ズッキーニが出来たので貰って貰おうと思っていたのに、これじゃ頼み憎いじゃ無いか。ええい、そう人の先回りをするもんじゃない。それにしてもやりにくいったらありゃしない。
「アー、ところで畑へ行ってスイカの周りの囲いを取ってきたんだけどさあ。面白いものを見つけたんだ。」
「スイカが残っていたんでしょ。」
あ、何で分かるんだ。やっぱりこの人はサトリだべ。こら、妖怪サトリめ。正体を現せなーんちゃって。
「実はキクイモと雑草の境目辺りに囲いを外している時に1個見つけたんだ。それで、おお、こんなところに出来ていたなんてと驚いたんだよ。まあ、流石にこの時期のものなのでちょっと小さかったが持ってくることにしたんだ。まさかまたスイカが採れるとはね。」
「スイカの根を取ってしまわなくて良かったね。」
「そうなんだ。ところでみんな囲いをすっかり取って草を刈って行くと、なんとまた2個現れたんだ。今迄何度も畑に行っているのに何で見つからなかったのか不思議だね。」
まあ、最後の1個を採ってからスイカに水遣りはしてなかったのによくぞ3個も実ったものだ。う~む、ど根性スイカだべ。こうなりゃ今日採ってきたスイカを食べてみよう。熟していれば後の2個も採ってくるべ。半日冷蔵庫で冷やして執刀です。
わってみると小さい割りに嫌に種が多い。それに少し赤みが少ない。まあ、いいや、食べてみようと言うことで一口ガブリ。あれ、全然甘みがない。う~む、その後肥料も水も全然やらなかったからなあ。ま、しょうがないか。水を飲んでいると思えば許せる。
と言う訳で残りの2個は暫く採らないで畑へ残しておくことにした。囲いはすっかり取ってしまったので、タヌキくんにカラスくん、残りのスイカにはずぇったい手を出さないように固く申しつけるぞよ。