すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

劇的変化(長いです。興味の無い方はすっとばしてくだされ)

 ○桐さんからこの間フーさんから購入したスピーカーがどうにも上手く鳴らないから見て欲しいとのことで午後から伺った。先に聞いたミーさんの話ではいい音で鳴っているが、○桐さんの言うようにもう少し低域が欲しかったらより大きな箱に替えなければならないだろうとは先日このブログで書いた。

 

 彼の購入したスピーカー・ユニットはジェンセンのA-12

何たら。何たらと書いたのはA-12はモノラル時代のユニットだけあって実に多くの種類が有る。この何たらは純粋なA-12と言うよりもっと後期の亜種で有ろう。それだけに周波数レンジは広いと思う。また今迄のA-12と違って恐ろしくユニットが軽い。まあ、軽いからと言って音まで軽くなる訳では無かろう。フーさんがいい音で鳴るよと言っているだけに、もしそうでないならこちらの鳴らし方が悪いと言うことになる。

 

 このユニットはコーン紙がまるで新品同様みたいである。恐らく以前の使用していた方は余り鳴らさなかったのかも知れない。そして2個とも同じ機種だからステレオで使っても何の違和感も無い。それだけに○桐さんも期待していたのだと思う。

 

 だが最初は確かに左右のユニットの音の違いは無いし、鳴りっぷりはいいし、これはいいと思っていたが、やがて彼は高域のキツさを感じ始めたらしくて、長く聞いていると疲れると言い、以前使っていたダイヤトーンの3ウェイスピーカーを使っていると言う。こちらは確かに腰砕けの音だが、まだ落ち着いて聞けるらしい。

 

 私はミーさんがそんなに悪い音では無いと言っていたので、彼の言が俄には信じられなかった。しかしアニタ・オディの「Sings the Winners」を一聴するとヴォーカルが引っ込んで後のオーケストラがしゃしゃり出ていると感じた。それに何となく音が暴れているように感じた。いい音と言うより、これでは悪い音と断言しても良いくらいだ。箱がどうのこうのという問題では無い。○桐さんは以前のA-12はこんな風にはならなかったという。ちゃんと中低域がしっかりしていてトィターを付けてバランス良く鳴っていたとのこと。

 

 今度はレコードを換えてピアノトリオを聞く。しかしやはり先ほどの様に中域が落ち込んでいる。高域がキツいのでは無く。低域も高域も出てはいるのだが肝心の中域が落ち込んでしまっているのだ。音の暴れも気になる。

 

 ユニットのコーン紙がまだ碌に使っていなくて十分に分割振動を起こしていないかも知れない。もっと鳴らし込めばそのうちいい音で鳴ってくれるかも知れないよと言っておいた。○桐さんはどれ位でそうなりますかと尋ねるから、まあ貴方の鳴らし方では下手すりゃ1年くらいかかるかもと言ったら、1年もこの音を聞いていなけりゃならないのかと酷くがっかりしたようだった。

 

 そこでそれでは余りに可哀想だから、まあ出来るだけやってみようと思い、まずはグラフィック・イコライザーかトーン・コントロールは無いかと尋ねる。彼の使用しているプリアンプはヨーさんが作ってくれた物でプリアンプと言うよりMCカートリッジ専用のイコライザーアンプと言った方が正しい。だからトーンコントロールなどは一切付いていない。

 

 しかし幾らその方が音の鮮度がいいとは言っても簡単な音場補正が出来ないようでは困る。そこでミーさんが彼に譲ってくれたターさん製作のプリアンプをプリとパワーアンプの間に挟むことにした。こちらはトンコン付きで有るから些かの補正は出来る。

 

 早速結線し直してまずトンコンの高域側を目一杯、低域側も結構絞った。これで先ほどのアニタ・オディを聞いてみる。するとあら不思議。先ほどとは打って変わってヴォーカルは前に出て来るし、後のオーケストラもしゃしゃり出てこない。何よりも音がずっとスッキリした。暴れが出なくなったのだ。え~、こんなに上手く行っていいの? 自分がやった事ながら余りに上手く行きすぎて俄には信じられなかった。(笑)

 

 試みに先ほどのピアノトリオも聞いてみる。いい。断然いい。トィターも付けてないのに以前使っていた物よりワイドレンジに聞こえるくらいだ。うちのエレクトロ・ヴォイスのSP15Aよりいい音で鳴っているんじゃないか? ○桐さんにこれでどうだねと言うと、

「イイ音になりました。これで1年でも2年でも安心して聞けます」(笑)

との事。まあ怪我の功名みたいなものだが結果良ければ全て良し。目出度し、目出度しです。ほら、だから言ってるでしょ。名器と呼ばれるものが碌な音しか出さない時は大抵使い手の方に問題有りなんだから。ともかくこれで○桐さんも音楽に耽れそうです。