オーディオ仲間のミーさんが新しくホーンとドライバーを付け加え、マルチアンプシステムに挑戦した。ターさんがチャンネル・デバイダーを貸してやったり、簡単にスピーカー・ユニットを切り替えられるようにしてあげたりと、色々と手を焼いてくれたのはミーさんに代わって御礼申し上げます。(笑)
ついでにご自分所有のトランジスター・アンプも貸してやって、それでマルチアンプを組み、その調整をされて帰ったのだが、その後ミーさんがK井さんからマッキントッシュの古いアンプを戴いたり、私からアルテックのアンプを買ったりして、管球アンプが揃った事からマルチアンプ・システムを全て管球アンプで行く事にして組み直した。ただトランジスターアンプを使っていた時の設定のままだから、たぶんそのせいかもしれないが少し違和感を感じる音になったと仰る。
うむ、音のバランスは確かにトランジスター・アンプと管球アンプとでは違ってくるかも知れない。ミーさんはグラフィック・イコライザで色々調整していたようだが、どうにも分からなくなってきたという。然もありなん。マルチアンプの調整をしているとどれが自分の目指す音なのか分からなくなってくる事が良く有る。で、第三者の私に調整役をお願いしてきたという訳。
えー、オイラはいい加減にやっているから、あんまり自信が無いんだけどなあ。(笑)まあ、それでもうちの出している音はミーさんも気に入っている事だし、何とかそれに近づけてみようという事になった。
で、上越市のご自宅まで伺って早速聴かせて戴いた。音はなる程大型ホーンを使っているので、所謂抜けの良い音にはなったが何か変だ。音が高域の方にうわずっているように聞こえるし、音量を上げるとすこしうるさくなる。所謂キン付いた音になる。恐らく少し音が歪んでいるのかも知れない。
凄いオーディオ装置だよ~ん。マルチアンプシステムの音の調整は難しいんだよね。
それとオイラのところと違って綺麗にしているんだよねえ。(そう思ったらアンタもたまには掃除しろよ)
そこで少し低音を上げてみてくれと頼む。う~ん、余り変わってないようだがなあ。ミーさんは今掛けていたクラシックのレコードから今度はジャズのレコードを掛ける。音量もかなり大きいしパンチ力もあるから、そんなに悪くは無いのだが、依然として音の違和感は残る。そこでまた低音を上げてくれるよう頼むが、ミーさんは「ええ、まだ上げるんですか? もうだいぶ上がっていますよ」と言う。
取っ替え引っ替えレコードを換えて聴かせてくれるのだが、どうも私にはイマイチしっくり来ない。その事をミーさんに言うと、じゃあチャンデバを構ってくれとの事。う~、知らないよ~ん、変な音になっても。(笑)そこでチャンデバのクロスオーバー周波数を変える。今迄は低域と中域のクロスが1200hzになっていた物を500hzに。中域と高域のクロスは8000hzに変えた。調整用のレコードはモノラル録音でヴォーカルの物をかけて貰った。
すると俄然音が落ち着き、余りワンワンする感じにならなくなった。何より低音がしっかりして安定感が出て来たし、音も芯が有るようになった。そこで先に掛けたレコードを掛けるともう全然以前と比べ物にならないくらいの良い音になった。これにはミーさんも大満足。やはりトランジスターアンプと管球アンプとでは音のバランスが変わってくるのだ。
恐らく音が静かになったのは低域用スピーカーが周波数レンジを欲張らなくなった事で歪みが少なくなった事で有ろう。そして大型ホーンの抜けの良さがドライバーの担当する周波数帯をカバーした事で更に良くなったのだと思う。まあ、何とか上手く行って私の鼻も高い。(偶々上手く行っただけの事なんだけど)ホッと胸をなで下ろして帰宅した。
後でミーさんから電話が有ってグライコのトーン・デフィートスイッチがオンになっていたとの事。道理で幾ら低音を持ち上げても効果が無かった訳だ。(笑)まあ、夢中になって調整しているとこういう事は良く有るんだよね。だから第三者の耳が必要になってくる。ともあれ基本的な音の調整は出来たので、ここからミーさんが如何にして自分好みの音に仕上げるかだ。ミーさん、益々オーディオの泥沼に嵌まりますなあ。(笑)
プレイヤーは局用コンソールが1台。あとはご覧の3台を使用している。DD、ベルト、アイドラーと何でもござれだ。
オープン・リール・テープデッキも3台。マニアの面目躍如ですね。(写真が手ぶれしていてすみません)