S先生のオートグラフの音を聞いてからどうも我が家のオートグラフは線が細いと感じてきた。そこで壁に近づけたり、色々とやってみるのだが改善しない。まあアンプを替えれば手っ取り早いのだろうが、こちとらそんな余計な金はありませんよ。
そこで思い切りボリュームを上げてみた。今迄はオートグラフは主にクラシックを聴いていたので特にオーケストラでない限り、ボリュームを上げずに品良く聞いていたのだ。しかしこれがどうも少し迫力と臨場感を無くすようになったようだ。
かなり音量を上げて聞いたらこれが結構いいのだ。何より低音にやっとロードが掛かって来るようになった。まあ、しかし考えて見たらこれは当たり前の事なのだ。小音量なら空気が動かないからロードが掛かる訳が無い。大音量をぶっ込んで初めて掛かる訳だ。
今にして思えばオートグラフの愛好家だった作家の五味康祐氏が何でマッキンのMC275を使ったかが分かる。小出力のアンプではオートグラフの真価が発揮できないのだ。能率が100db近くあるから小出力のアンプでも十分鳴るような気がするが、どっこいそれでは真価が発揮できないように思う。
このスピーカーが同軸型なのに何で小さい部屋に置けないのかと言うと、結局大音量を入れると狭い部屋ではどうにもならないからだ。オートグラフを小さい音で聞くのなら他のタンノイのそこそこのスピーカーで十分である。だから大音量で鳴らせないような部屋ではオートグラフでは無理なのだ。
能率が良い→小出力アンプで十分と言った考え方がオーディオ界には流布しているが、私自身長年アルテックを使ってきてそれは間違いだと近年漸く気付いた。アルテックや昔のJBLなどは大音量をぶっ込まないと本領を発揮しないのだ。
で、オートグラフも同様で音量を上げたら広がり感も出て来たし、スケール感も増した。低音ホーンにロードが掛かって来たからである。まあ、しかし何でもかんでもボリュームを上げればいいという物ではない。我が家の音は音量を上げてもうるさくならないからこれが出来るので有って、部屋が音でワンワンするようなら無駄である。
おそらくそれはプリアンプやプレイヤーなどの性能に関わってくるのではないかと思う。幸い我が家の場合は上手く行ったから、これからも安心して大音量で聞ける。(近所迷惑だよ)