すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

ステレオ派? モノラル派? (また長いでっせ)

 LPのステレオ移行期においてはステレオ盤とモノラル盤が共存した時代があった。今やCDはおろかネットワーク音楽の時代だから、そんな事に拘る人は少ないのかも知れないが、SP盤の時代から聴いてきた者としては結構拘ってしまうのだ。

 

 LPが再発される時どちらで出されるかは聴く者にとってはどうでもいいという訳には行かない。まあ、一番いいのは両方持っている事だが、経済的な事、場所的な事も有るから必ずしも両方というのは贅沢な感じがしないでもない。拘る人は演奏も違って聞こえるから両方必要だという。果たしてそうか? 今回はそれを検証してみたい。

 

 まあ、ステレオ、モノラルと言ってもそれぞれ演奏内容が違う物が有る。つまり別テイクが存在するという訳だ。ビル・エバンスの「ポートレイト・イン・ジャズ」中における「枯葉」なんかがこれに相当すると思う。これに対して演奏内容は同じなのだが録音が単にステレオ、モノラルの違いだけというのも有る。今回はそれで検証してみた。

 

 手持ちの盤で両方有るのはえーと何組有ったか忘れたが、取り敢えず思いつくのを引っ張り出してみた。まず

ジュリー・ロンドン [Julie is her name]

②キティ・カレン [My coloring book]

③ザ・マリアッチ・ブラス [Hats off]

④マーティ・ペイチ [The broadway bit]

の4枚で有る。アー、全部の盤で検証するのは些か面倒臭いので(このノメシコキめ)、このうち①と④を聴いてみた。画像は天井の灯りがジャケットに反射してやや見づらいですがお許しを。

 

ジュリー・ロンドン 左側がステレオ盤、右がモノラル盤。(以下同じ)

これは見たところステレオ盤、モノラル盤とも同じですな。

ジュリー・ロンドンジャケット裏面

ステレオ盤はハッキリSTEREOと銘打たれています。因みにどちらも外盤で特にモノラル盤は直接アメリカへ行って買って来ました。

 

キティ・カレン ステレオ盤は日本盤、モノラル盤は外盤です。これはロゴマークやレコード番号などちょっと見かけが違いますね。モノラル盤は画像も上擦っていますし。(笑)

 

裏面です。モノラル盤は画像が濃いですな。ちょいと見づらい。

 

マリアッチ・ブラス チェット・ベイカーをフィーチャーしています。これもステレオ盤はハッキリと表示されています。しかしその他はほとんど変わりなし。僅かにモノラル盤の方が画像が小さめで女性のスタイルがよく分かる。(笑)

 

裏面です。これもステレオ表示以外大して違いなし。因みに両方とも外盤です。

 

マーティー・ペイチ 「踊り子」の愛称で有名なアート・ペッパーなどをフィーチャーした名盤。ステレオ盤の上の楕円形のロゴはこの盤がたまたま見本盤だったから付いている物でデザインその物は全くと言って変わり有りません。両方とも国内盤です。

 

これはもうハッキリと区別が出来ますね。(笑)なお普通オリジナルのモノラル盤は特にMONAURALなどとは書かれてないのが普通ですがこの頃の盤はステレオ、モノラル同時発売なのでこのように記されたものと理解しています。

 

 さて愈々試聴だがまずジュリー・ロンドンのステレオ盤から。

広がりは若干有るようだ。まあ、特に悪い点というのは見当たらない。(聞き当たらない?)ところがモノラル盤を聴くと、はい、もう問題なくこちらが宜しいです。(笑)

音の厚み、力感、録音レベル、みんなこちらがステレオ盤を上回っています。これを聴くともうステレオだの、モノラルだのどうでも良くなって来ますな。大体ヴォーカルなんだからどうでもステレオで有る必要は無いと思うのだが。

 

 次にマーティー・ペイチです。やはりステレオ盤からですが、こちらの方がモノラル盤より再発された時期が古いようなのです。恐らく1970年代くらいの再発盤かも知れません。音を聴くとオーケストラ演奏の為、ステレオ盤の良さが発揮されており、楽器位置などが特定され、これはひょっとするとモノラル盤より良いのでは無いかと思わせる出来の良さです。

 

 モノラル盤は最初聴き始めた時、これはステレオ盤の方に軍配が上がるかなと思えたのですが、良く聴いているとベースのスコット・ラファロのベース音や、ヴィクター・フェルドマンの演奏するヴァイブラフォンの音がくっきりとしかも前方に出て来るのです。ひょっとしてこれは再発する時に改めてマスター・テープから録り直してソロを際立たせようとしたのではないかと思ってしまいました。そして聴いているうちに広がり感が無いと思った事は全く気にならなくなってしまいました。兎に角この盤に関しては別録音じゃ無いかと思えたほどでした。さて総合判定ですがやはりこの盤もモノラル盤に軍配を上げたいと思います。しかしこれはあくまで私の感想ですから、人によってはステレオ盤の方がいいという人も有ると思います。(笑)

 

 と言う訳で僅か2枚の聞き比べではありましたが、やはり今回もモノラル盤はいいと言う事になりました。なお私は④に関してはCD(当然ステレオ盤)も持っていますが、残念ながらアナログ・レコードと同じ土俵に上げるほどでは無いと言う判断の下、試聴はしませんでした。(キビシー!)

 

 なお試聴に使いましたカートリッジはエラックXP(MM型)です。公平になるようにステレオ盤、モノラル盤ともこのステレオ針を使いました。以上本日はお遊びで実験してみました。最後までお読み戴き感謝します。え、読んでないって? そ、そんなあ。