すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

蓄音機コンサート

 お隣の町内のHさんから電話が有って、ドナルド・キーン・センターで今日の午後から蓄音機コンサートがあるから聴きに行かないかとお誘いを受けた。使用される蓄音機は王者クレデンザ。私は正直クレデンザの音は知り合いも持っている関係で、そこそこ聴いているので、今更とは思ったが、どうせ退屈しているし、どんなレコードを掛けるのかも興味があったのでお付き合いする事にした。

 

 考えてみればHさんには我が家の蓄音機の音を聴かせてなかったかも知れない。うちにもポータブルを含め3台の蓄音機がある。Kさんから預かっているのを含めれば4台だ。そのどれをもお聴かせしてなかったとは申し訳ない限りだ。Hさんはまだ大型蓄音機でSP盤の音を聴いた事が無かったようで、興味津々のようだ。

 

 会場には定刻前にもお客さんが来ていて、開始時刻頃には結構な人数となった。お目当てのクレデンザはそれほど状態のいい物ではなかったが、まあサウンドボックス、アーム、ホーンさえしっかりしていれば音に影響はないので、それなりに楽しめるだろう。ポータブルの蓄音機も用意されていて、開始前にはこちらで鳴らしていたようだが、ポータブルの方はサウンドボックスが新しい年代の物なので、クレデンザに取り付けられたものよりもややハイ上がりだが、音の切れ込みも良く、音量も十分なので、ある意味こちらの方が良く聞こえる?

 

 さて開始時刻となったの、でまずワインガルトナー指揮、ウィーンフィルハーモニーの演奏で、ベートーベンの交響曲第4番「英雄」が掛けられる。ゼンマイで回して電気を一切使用してないのに十分な音量が出てくるので、皆驚いているようだ。確かにポータブルではここまでの低音は出まい。オーケストラはやはり大型蓄音機の独擅場だろう。でも私自身の感想で言えば、SP盤のオーケストラを再生するなら、蓄音機再生より電気再生だろう。周波数レンジもダイナミックレンジも音量も全て電気再生が上回っていると思う。だが蓄音機これ一台で音楽が楽しめるのが有り難い所だ。しかもその佇まいと雰囲気がいい。SP盤を聴きに来る人はそれを大事にしているのかも知れない。

 

 「英雄」はSP盤4枚を掛けなければならないのだが、本日は2枚までとし、残りは次回のお楽しみと言う事になった。その後は初期のジャズでジェリー・ロール・モートンのレコードが掛けられた。まあ、私もジャズは聴くので、この辺りはよく知っているが、何枚も聴いていると少々かったるくなってくるので、2枚ほど掛けて戴いたところで、Hさんと相談して中座した。

 

 正直会場に来られている皆さんが皆クラシックや初期のジャズファンだとは思えないので、きっと物珍しさから聴きに来たんだろうと推測するが、真剣に聴かれているのには感心しました。でも皆さん、だったら何でレコードプレイヤーやLPを捨てたんですか?  LPを聴いてればSP盤なんて物珍しそうに聴く必要は無かったんですよ。世の風潮に流され、お宝を捨ててしまったとは嘆かわしい。まあ、物事というのは得てして無くしてみて、始めてその良さがわかるんですな。願わくば折角この会場にいらっしゃって音楽を聴かれたんだから、これを契機にもっと日常的に音楽を楽しんで欲しいと思う所です。

 

 コンサートの途中でKさんから遊びに来ないかと電話を貰ったので、Hさんと二人で窺い、今度はKさんのお宅でたっぷりアナログオーディオを満喫しました。正直、演奏さえ良ければ、再生装置や音源となるメディアなんてものは本当はどうでもいいんだよね。昔はラジオから流れる音楽でも十分満足出来たのに、考えてみたら随分音に関しては贅沢になったなあと自戒させられました。ともあれ本日の午後は有意義な暇つぶしが出来ました。(笑)