すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

10インチLP

昔10インチ(25cm)LPなるものがあった。無論年配の方ならご存知のはずだしコレクターの方もいらしゃると思う。私もそれほど多くはないが何十枚かは持っている。いまはCD全盛でジャケットを見る楽しみは無くなってしまった。何しろあのサイズではねえ。中にはジャケットの無いCDもあるようだ。そもそもSPレコード時代レコード一枚の場合は袋に入っているだけでいわゆるジャケットという物は無かった。アルバムの他にはジャケットが無かったのである。それがLP時代になってジャケットが付いた。これは絶対売上増進につながったと思う。購入者の中にはレコードの中身より所謂「ジャケ買い」をした人も少なからずいるはずだ。秀逸なジャケットはそのまま壁に飾っても絵になる。さてそこで10インチLPの利点をあげてみよう。まず片面4曲程度で時間的に長からず、短すぎずというところが宜しい。12インチのレコードはクラシックの長い演奏に対応するためであったのではないかと思う。私のようにジャズを主体に効く人間には10インチのほうが便利である。第二にジャケットの大きさが手頃だ。ほぼCDの2倍のサイズだ。(CD約4枚分)これだとジャケットの絵や写真が変に間延びしないでいい。またレコード盤の面積が小さいため反りも起きにくい。第三に場所を取らない。当たり前だが奥行も高さも12インチよりも小さくなる訳だから、レコード棚を作った場合余りこちらに出っ張らない。またデジタルデータは知らないうちに再生出来なくなることがあると聞いた。
 ことほど左様に調度良かったレコードをなぜメーカーは止めにしたのだろう?CDは極端に言えば音楽文化をダメにしたと言っても過言ではない。あまりに音楽を手軽に聞く物にしてしまったが故に聞き方も中身も軽薄になったようだ。(無論そうでない方もいらっしゃるが)あのサイズ、装丁、手軽さでとても音楽をしっかりと聞くという態度は生まれてこないと思う。考えてみればオーディオの衰退はCDの出現によって始まったと思う。今私は10インチLPカム・バ〜ック!とシェーンを呼ぶ少年の気持ちなのである。

 写真:10インチLP Midnight on Bourbon Street (Capitol)