すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

少年院、刑務所訪問(すみません、つい長くなりました)

 保護司会の企画で長岡の少年院と新潟の刑務所を訪問しました。こういう機会は自分が犯罪を起こさない限りまず無いので、応募した訳です。いくつかの地区の町内会長などを集めて総勢36名です。

 まずは少年院ですが、一応名前は少年学院となっていました。聞けば中身は少年院と全く同じなのだそうですが、沿革からその名を使っているので、そのまま使っているとの事でした。建物は2年前に建て替えられたばかりで新しく、設備はどれこれも立派で有った。流石国で建てたものは違う。一見どこかの役所かと見紛うほどだ。だが窓にはお洒落なデザインだが、アルミの格子が嵌まっているし、各部屋へ通じる所は必ず施錠がなされている。まあ、まず脱走は不可能だ。

現在76名ほどの生徒を40名ほどの教官達でみているそうな。しかしこれは中々大変な事で有る。誰か生徒の一人でも病気になれば病院に教官が24時間付き添っていなければならない。当然3交代だから3人は人手を取られる。これは後述の刑務所でも同様で入院患者一人につき、6人の人手を取られるそうな。残った人数で受刑者を監督しなければならない。だから有給休暇は有って無きが如しだという。また不測の事態に備えて必ず教官達の官舎が敷地内に建てられてあって、通常、職員達はそこに住んでいる。これでは受刑者のみならずそこで働く職員達も大変だ。この少年院に入所している約45%の生徒が実母だけの片親だ。これを見ても家庭環境が少年犯罪に如何に影響を与えているかよく分かる。少年院は普通に学べば11.5ヶ月で卒院できるのだが、2割程度はまた戻ってくる事が有るという。更生するというのも容易ではない。

 刑務所暮らしとなれば尚のこと。私たちが訪れた所は刑期10年未満の26歳以上の男子の受刑者を収監する所だ。この建物は古く築40年以上もたっているので、現在改築中なのだが、まだ一期工事しか完成していなくて、しかもその建物はグラウンドの上に建てられたので、現在グラウンドは無い。また旧館も存在しているので、職員も受刑者も新館と旧館を行ったり来たりしなければならないので、これまた大変で有る。新しい建物が出来れば、古い方を壊し、グラウンドも復活するのだろうが、予算の関係も有って完成はいつになるか分からないとの事。職員さん達の苦労が偲ばれる。

 兎に角こちらの受刑者達の再犯率も高い。受刑者達のこの刑務所の平均入所回数は5回。最高27回なんて者もいるそうだ。これは出所しても結局居場所が無く、それなら刑務所の方が衣食住が確立しているから、わざと犯罪を起こしてもどるのだそうな。それだけ娑婆は出所者に居づらい場所という事になる。だから保護司さん達が真っ先に心配するのが就職で有る。就職先が決まって安定した収入が得られなければ、再び悪事に手を染める羽目になる事が多い。それだけに刑を終えた者に対する雇い主や世間の温かいまなざしが必要なのだ。

 尚この刑務所の定員は947名。現在760名ほどが服役中という。うち32.3%にあたる245名が暴力団関係者で有る。刑務所では社会復帰してもやって行けるように、様々な技能を身につけさせている。漆製品や、木工製品など刑務所内で売っている。身につけた技能が役立てばいいのだが・・・。

 兎に角少年院も刑務所も世間と隔離された一種独特な空間で有る。このような施設が必要でないくらい、犯罪が無くなればいいのだが・・・・。人間は弱い動物で有る。よほど本人の強固な意志と世間の温かい目が無ければ、再びこの世界に舞い戻ってくる事になりかねない。教育や家庭環境が如何に大切か、私たちも大いに考えさせられ、勉強になった一日でした。