すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

幻の名盤

 嘗てジャズ専門誌のスイングジャーナルの臨時増刊号で一世を風靡した物に「幻の名盤読本」なるものが有った。発売は1974年でこの発売を機に一気に幻の名盤ブームが起きたとされる。まあ、何事も2番煎じは大した事が無い訳で、20年後に柳の下の泥鰌を狙って「新幻の名盤読本」が出されたが、幻の名盤ブームは2度と起きなかった。やはり高度成長時代だから起きたもので有り、あの頃は皆真剣に音楽を聴いていたからで有ろう。

 と言う訳でその幻の名盤ブームには乗り遅れたが、ジャズのアルバムを買いあさっていた頃欲しかったレコードがある。これもその幻の名盤のうちの一つだったのだが、当時はまだやっとCDが出始めた頃でもあったし、今みたいにインターネットが発達している訳でも無かったから、そのレコードを入手するのは容易でなかった。あちこちの中古盤屋を歩いてみても、地方のお店にそんなのが有る訳がない。況してやジャズのレコードだ。

 そんな中でスペインのフレッシュサウンドなるジャズの復刻盤専門の怪しげな会社がこのレコードを復刻しているのをカタログで知った。だが日本にはそのフレッシュサウンドのレコードは入ってきても、お目当てのレコードは中々入ってこなかった。当時私は通販で大阪から買っていたが、ファックスを持っていなかったので、このレコードが在庫有りの時、ファックス部隊に負けて取れなかった思い出がある。斯様に欲しいレコードを取り逃がした事が度々有ったので、その後決心をしてファックスを購入した経緯がある。

 さてそのお目当てのレコードのタイトルは「Byrd in Paris」これはVol.1とVol.2が有った。今でこそCDや中古盤でたやすく手に入るが、その当時は容易ではなかったのである。だが昨年、今年と足かけ2年がかりで遂に2枚とも入手した。ネットで調べてみると私が買った半分程度の値段で出ている中古盤も有ったが、私が今取引しているお店は概して盤質がいいので、値段の事はあまり問題にしない。


Donald Byrd 「Byrd in Paris」vol.1、2

 私が買ったのは当然外盤のLPだ。長年探し求めていたレコードはCDなんかでは絶対に駄目なのである。で、その内容だが昨年vol.2を買って聴いていたのでvol.1は聴かずとも分かる。名演だった。実は幻の名盤と言ってもレアなだけで内容は大した事の無い盤も多いのである。私は何度それで騙された事か。でも今回は久しぶりで満足の行く買い物をしたような気がする。演奏、ジャケットデザイン文句なし!

さて折角だから演奏の方も聴いて戴きましょうか。
曲は私の好きな「懐かしのストックホルム