すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

後になって理解できるレコード

 ジャズを聴き始めた頃はさっぱり分からないレコードが沢山有った。評論家先生が良いというレコードを取り敢えず集めたのは良いが、一体何処がいいのか、聴いててもちっとも面白くない。で、どうしても初期の頃はヴォーカル物やスタンダード曲を弾いたピアノトリオなどが中心となる。

 まあ趣味なんて自分が好きなことだけやっていても良いのだ。だからジャズの場合も好きなレコードだけ聴いてれば良いことになるのだが・・・・。だがそれだけでは奥の広い趣味とはならない。少し理解が深まれば一層また面白くなると言う物だ。

 とは言え分からない時に幾ら聴いても分かるものではない。私の場合、初期のビリー・ホリデイデューク・エリントンは幾ら聴いてもその良さが分からなかった。しかもオーディオ装置が今よりずっと悪いから、音の悪さも手伝って一層理解できなかったのである。

 ところがわからない、理解できないと言いながら長年ジャズを聴いていると少しは耳が肥えてくるのか、或日思い出してその理解できなかったレコードを取り出して聴いてみると、突然理解できるのである。それはまさに突然で、何で自分でも急に理解できたのかわからないが、まさしく目の前の霧が突然晴れた如くだ。理解というのは徐々にでは無く、突然訪れる物だとこの時痛感した。

 分からなかったことが分かるというのは気持ちのの良いものだし、楽しいことだ。だからいつまでも理解できる物しか聴かないというのは如何な物か。人間何でも勉強である。一つの殻に閉じこもっていては世界が広がらない。とは言え評論家先生が良いという物は何でもいいかというと、それがそうでも無いから事は面倒だ。ある程度耳が肥えてくれば、その後は自分の判断と言うことになる。要はそれほど一所懸命にレコードを聴くと言うことだろう。

 「ジャズっていいよね」なんて軽く言う輩が沢山いるが、それほど聴いているのか?雰囲気だけで判断していないか?まあジャズクラブや、ジャズ喫茶は案外こういうお客が沢山来てくれないと商売にならないのかも知れないが、お洒落感覚だけで聞いて欲しくない。じゃあ自分が聴き始めた頃はどうだったと言えば、分からないながらも身銭を切ってレコードを買い、ライブにも足繁く通ったものだ。だが「ジャズが好きな人」と言うのは大半はそれほど思い入れが強くない、前述の様な人たちだろう。そういった人たちに案外ミュージシャン達は支えられているのかも知れない。

 そう思ってみると頑なにシコシコレコードを聴き、「あいつらにはホントのジャズはわからないさ」などと嘯いているオジさん達は単なる因業ジジイなんでしょうなあ、きっと。(笑)

初期のビリー・ホリデイの歌「黄金の雨」。
この頃はまだその強烈なスイング感、
バックで演奏しているレスター・ヤングなどの
凄さは理解出来なかった。ジャズは修行です、ハイ。