すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

遊びに来ない?

 「オーイ、遊びに来んか?」
Kさんから電話が来たのは午後1時半頃であった。この男はまた退屈しておるな。こっちは仕事をしているのに・・・・・・。
 「我が輩は今町内の仕事をしておるのじゃよ。チミは閑になるとそうやって我が輩の邪魔をするんだから・・・・・。あと1時間ほど待っておれ!」
 「折角人が誘ってるのに早く来いよ。あと7秒ね。」
 「アホッ、そんなに早く行けるか。仕事が一段落付いたら行くから、うんめえコーヒーでも用意しておとなしく待っておれ。」

 今日のうちに仕事は片付けたかったんだが、しょうのないやっちゃ。まあ昨日はレコードを買ってきて貰ったんだから、なるべく早く行ってやるか。
こうしてまだ仕事は片付いていなかったが、心優しいオイラは30分ほどで仕事を止め、ちょと買い物を済ませて電話してからKさんの所へ行った。

 「またせたな、ミヤモトムサクルシイ!どーれ、遊んでやるとするか。」
 「なにを、佐々木乞食!手土産は持ってきたんだろうな?まさか他人(ひと)のうちに遊びに来るに手ぶらはあるめえ?」
 「仕事を中断して来てやったんだ。手土産なんぞ買ってる閑が有るけえ!」

と軽くジャブの応酬がある。で、彼の管球アンプが直ったのでコーヒーを飲みながらレコードを聴く。うん、やっぱりこっちのアンプの方がいい。その後は彼が昨日買った「ジャズ批評」の本を眺めたりしていろいろ話し、時間を潰していた。さーてそろそろ家に帰って相撲でも見るかと腰を持ち上げかけた時、
 「あー、ちょっとおねげえが有るんじゃが。」
 「ん?」
 「実はそちがあと1時間位掛かると言ったんで、ちょいと軽く手慰み(注:パチンコのこと)などをしておったんじゃよ。財布に有る5千円を元手にしてな。まあ最初は調子よかったんだが、そちが電話してきたもんだから、急いでけりをつけねばならんと思ってやっちまったもんだから、スッカラカンになっちまった。」
 「で?」
 「今月まさかこれから一文無しで過ごす訳にも行くめえ。まあ、そちが遅れて来なかったら、ワシはパチンコに手を出さなかったんだから、資金提供をする義務が有るぞよ。」
 「なんじゃそりゃあ!盗人にも三分の理屈とは良く言ったもんだ。そんなもん俺のせいじゃねえ。大体俺もこの12月、1月はヒジョーに苦しいんだ。だから緊急的に下ろしてはならない貯金を下ろしてきたんだぞ。」
 「最近は投資をやって資本家に成り下がったんだから、そちには十分貸す余裕が有る。」
 「チミチミー、チミは高級官僚(注:只の中学教師)のくせして無職の老人から金をせびり取るのか?大体昨年末たんまりボーナス貰ったんだろ?」
 「そんな物は直ぐに財務省の金庫に納まるようになっておるでのう。ワシはしがないサラリーマン教師じゃ。」

あーだこーだとまるで「貧窮問答歌」のような応酬が続いたが、所詮無い物の方が強い。オイラはなけなしの1万円をぶんどられた、トホホ・・・・。オイラだってこの後税金だの車の任意保険など払わなくてはならんのに。ホント、オイラってお人好し。まあこの男はオイラを臨時の金融機関か何かと思ってるんだろうな、きっと。

それにしてもまんまと罠に嵌まってしまった。今後「遊びに来い」には十分気をつけねばならん。