すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

曲に罪は無いのだが・・・

 チャイコフスキーの作曲した「1812年」の演奏中止がここの所相次いでいる。明石フィルや中部フィルはやる予定だったが、ロシアのウクライナ侵攻でロシアの勝利を祝うこの曲の演奏は時節柄ふさわしくないからだという。

 

 まあ、尤もな話だ。確かに今演奏すれば世間様から非難囂々だろう。この曲は1812年にナポレオン軍が60万の大軍を率いてロシアに攻め入ったが、冬将軍に遭い、飢えと寒さのために撃退される様を描いているのだ。作曲者自身は作ったには作ったが、本人自身が余り高く評価しておらず、私もどうってことのない曲だと思う。

 

 この曲については以前も取り上げたことがあったが、ただオーディオ的には大砲の音が実音入りで入ったりするので中々満足させてくれる曲ではある。だからこけ脅かしの曲ではあるのだが、一般受けするし、演奏時間も余り長くは無いと言うことで、あちこちの演奏会で良く取り上げられる。

 

 しかし、今回の演奏会は余りにタイミングが良すぎたというか、悪すぎたと言おうか、(笑)まさかホントにロシアがウクライナに侵攻するとは誰も思わなかっただろう。確かに常識で考えればロシアの勝利を祝う曲だが、よく考えればナポレオン軍の侵略を阻止したのだから、侵略撃退曲とも取れる。そう考えると丸っきり悪い訳でもなさそうな気もするのだが・・・。

 

 いずれにせよ曲に罪は無いと思うのだが、これも戦争のとばっちりを受けているのだ。この曲は今後演奏されるときあれこれ言われないだろうかと気にかかる。いっそロシア国内で現プーチン政権に不満を持つ者があふれ、フランス革命の如く市民革命を起こし、より良い民主主義国家に生まれ変わってくれたら、この曲もまた堂々と演奏される時が来るのではないか。そんな密かな夢を抱いてしまった。

 

チャイコフスキー「大序曲1812年


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