すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

サファイア針

 久し振りにヨーさんの所へ遊びに行った。この前電蓄用の竹針が欲しいと言っていたので何本か分けてあげる意味もあった。この所すっかりヨーさんは電蓄の針に凝っていて今日も色々針を換えて聴かせてくれた。なかでもタングステン針は中々の音だった。

 

 色々話して行くうちに結局針は減りの早いほうがしなやかで柔らかい音を出してより音楽的に聴かせてくれるみたいだねという結論になった。そう言えば昔ヨーさんにサファイア針のモノラル・カートリッジを作って貰ったっけ。うん、あれ以来使ってないな。何せサファイア針はダイアモンド針に比べてずっと減りが早いので、勿体ながって使ってないんだっけ。

 

 しかし今日、針が減ればまだサファイア針は沢山有るから幾らでも替えてあげるよと言うヨーさんの言葉を聞いて、じゃあ安心して使うべえと思い、早速帰宅して夕飯後久々に引っ張り出して聴いてみる。

 

 最近はモノラル盤は大体フェアチャイルド225-AかオルトフォンCG25Dを使っている。このサファイア針は作って貰ったのが2014年だからもう8年近く聴いていない事になる。あれから我が家の装置も大分変化したからどう聞こえるのか興味津々だ。

 

 で、どうせなら比較するカートリッジも必要と思いデッカのモノラルカートリッジも用意した。我が家のプリアンプはMC型カートリッジに合わせた仕様になっている。これはVM型だから本当はインピーダンスの関係でやや不利なのだが、この際無視。(笑)

 

ヨーさん製作のサファイア針使用モノラルカートリッジ。因みに回転シェルに取り付けられている。

 

デッカのモノラルカートリッジ。これまた久々の登場だ。

 

さて早速ヨーさん謹製のサファイア針から行ってみる事にした。こう言う比較は人の声が一番よく分かる。で、私のお気に入り、リー・ワイリーの「West of the Moon」をかける。ついでにもう一枚はシェリングの「バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタ」を聴く事にする。

 

 

 

 う~む、誠に綺麗な音だし、カートリッジのゲインはMC型にしてはかなり有るし、なかなかのだが、惜しむらくはバランスが高域に偏っている。ヨーさんの作るカートリッジは大抵高域側にバランスしている事が多い。近年はそうでもなくなったが、嘗て作ったカートリッジはほとんどがそうだ。彼はその当時低域が余り出過ぎるのを嫌がっていたから、そう言うバランスになったのかも知れないが、やはり全体にバランスしていないとおかしい。

 

このためリー・ワイリーの低い部分の声が余り出て来ない為、あの姉御肌とも思える独特のややハスキーな感じが出て来ない。色気も低音部の土台が有ったればこそだ。一方高音部は上までスーッと伸びて気持ちが良いし、美しい。しかも全然キツくならない。この辺りは流石サファイア針と言うべきか。

 

 続いて「バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタ」を聴く。こちらはもの凄く弦の鳴りが綺麗で非常にしなやかに鳴るし、また全然キツい音を出さない。流石で有る。ただもう少しやはり低域が出るともっと音が豊かになるのだがと思った。 事ここに至って私がどうして以前サファイア針はいいなあと思ったのにどうして使うのを止めたのか、その原因を思い出した。

 

 続いてデッカのカートリッジで聴いてみる。ヨーさん製のような高音部の美しさ、伸びは無く、かなりナローレンジだが、全体のバランスは悪くない。流石メーカー製で有る。ちゃんとリー・ワイリーの声と認識出来る。(笑)続いてシェリングだが、これまた同じ印象だった。低音部がしっかりしているからヴァイオリンの胴鳴りなどがハッキリ分かる。ただヨーさん製のサファイア針も事ヴァイオリンに関してはかなり魅力がある。まあ、この辺は好みの問題だろう。これでもうちょっとヨーさんのカートリッジが低域側にバランスしてくれたらもう最高なのだが、ヨーさんに言わせると変更すると今度は他の問題が出て来るという。なかなか難しい物ですなあ。(笑)

 

 でもまたヨーさんには再度新たなるサファイア針を使ったカートリッジ製作に挑戦して貰いたいものだ。エヘヘ、頼む方は作る側に比べて随分お気楽だよ~ん。焚き付けるだけでいいんだから。(コラッ!)