すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

便利になると段々つまらなくなる?

 アメリカではアナログレコードの売り上げがCDのそれを上回っていると言う。一体何故今そんな現象が起こっているのか不思議だが、結局CDは音は良いかも知れないが、総合的な鑑賞に劣ると言う事なのだろう。だから今レコードを購入している人は音質云々ではなく壁に飾って楽しむようにインテリアの一部として用いているのかも知れない。だから音の違いなどには神経を使わないようだ。

 

 これに対して我々のようなアナログ派はレコードの方が音がいいと思っているからレコードを持っているのだ。そもそもCD以前から持っているので今更変えられないという事情もあるけど。(笑) だがレコード、CDどちらにしても将来的にはどちらも消えてしまうような気がしてならない。そりゃあ全然無くなると言う事ではないだろうけど、音楽を聴くための主要な手段では無くなると言う事だ。

 

 即ちダウンロード音楽のような物が市場を席巻して行くに違いない。いや、もう既にそうなりつつある。何だか聴く手段が簡便になればなるほど音楽に対する熱が冷めて行くような気がする。

 

 余談だがNHKではこの春から「のど自慢」の演奏が生バンドではなく、カラオケ音源なのだそうだ。それではわざわざそんな大会に出てまで歌っても感動は薄くなるのではないか。見ている方だってそうだ。生バンドがお年寄りの方々がテンポやキーを外しても上手く寄り添って演奏してくださるからいいのだ。それをカラオケでやったら恐らくもう途中で歌うのを止めてしまうに違いない。のど自慢は生バンドと歌う方とお客さんが一体となって作っている番組なのだ。こんなことで制作費をケチるから番組がつまらなくなる。

 

 そもそもCDの誕生は音質の向上と言うよりも儲けを大きくしたいと言う発想から来ていると言った方が良い。レコード制作だけでもCDより経費が掛かるのにアルバムジャケットの装丁などに結構な費用が掛かる。それでCDに移行したのだが果たして結果はどうなったか。CDはコピー可能なデジタル音源だからパソコン時代には誠に便利になった。

 

 アナログならダビングする度に劣化するのにCDはほとんど劣化しないからコピーし放題だ。しかもアナログレコードのようにプチプチと雑音は入らない。結果レコードのように盤がすり減ってきたから、雑音が多くなったから買い換えると言う事が無いからCDの売れ行きは落ちて行く。そしてネット音楽の普及で完全に息の根を止められた。

 

 これだったらレコードの生産、販売を続けていた方がメーカーにとっては増しだったかも知れないが今更である。もう時代がメディアの音楽を聴くという風にはならなくなってきている。でもそれでは益々音楽が身近な存在ではなくなる。嘗てのレコードの時代はアルバムジャケットを眺め、ライナーノーツを読み、レコード盤にゆっくりと針を落とすというある意味凄い趣味的なところが有った。ところが段々そう言う要素が亡くなってきてダウンロード音楽では音楽さえ聴ければいいというようになってしまった。

 

 これではNHKのど自慢のように歌えればカラオケでも生バンドでも同じでしょ。寧ろカラオケの方が普段歌っている状況に近いので歌いやすいでしょという理屈と同じ様な事になってしまう。情けないですなあ。こうして段々音楽が粗末になって行く。

 

 NHKではこの頃AIにニュースを読ませたりしている。嘆かわしい。自前のアナウンサーがちゃんといるのに何でロボットなんかに原稿を読ませるのだ。そのうち音楽の生演奏もAIは失敗しないから、それに代わってやって貰いましょうてな事になるかも知れない。ああ、やだやだ。どんどん便利にしながらつまらない時代になって行く。