すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

古い物を何故有り難がる?

 ミーさんがタンノイのバリレラ・カートリッジとシュアのM3Dカートリッジを買った。何れもステレオ初期の製品である。私も先頃エラックのXPカートリッジを買ったから人の事は言えないが、何故今更こんな古い製品を買いたがるのか?

 

 聞いてもいないで買っている訳では無い、況してや今やプレミアムが付いて高価になっている物だから尚更である。まあ、簡単に言ってしまえば音がいいとしか言いようが無い。では何故こんな古い物が音が良いと感じるのか。それは音の大事な所だけ取り上げて我々の耳に運んでくれるからだかも知れない。

 

 今の製品はCD時代に合わせるように押し並べて情報量は多ければ多いほどいいとばかりに周波数レンジを広げたり、S/N比を良くしたり、低歪率に仕上げたりすることに血眼になっているが、その結果一番大事な部分が忘れられているような気がする。

 

 概して昔の製品はスピーカーであれ、カートリッジであれ、音楽の一番大事な所を聞かせてくれているようだ。それが反って聞く者の耳には心地よい。ネットで新しく高価な製品はどちらかというとあまり見向きもされず、Westernなどのあんな昔の製品が目の玉の出るほど高額になっている。まあ、Western製品は特別としても歴史という風雪に耐えて残った物は確かに一聴の価値がある。

 

 でなければ皆続々と有り難がって新製品を求めるだろう。それがそうならないのは今の製品に面白味が無いからだ。まあ、高額という理由もあろうが、再生音に不満が有るからではないか。その一つとしてデジタル化して音は良くなったかというと未だに低価格帯の製品は確かにCDが有利だが、高級価格帯の製品においてはアナログ優位と言う説が業界に厳然として残っている。趣味性においてもである。

 

 趣味で有る以上面白味が無ければ興味は半減する。この要素を残念ながらCDは無くしてしまったのだ。音も我々の耳を捕らえる事無く、趣味性も無いのは甚だ残念な事である。

 

 一方レコードもそんな所が有る。今や音楽業界はすっかり廃れて嘗ての面影は微塵も無い。昨今百万枚を売り上げた大ヒットなんて作品が有るだろうか。無論沢山売れれば名レコードだなんて言うつもりは無い。ジャズレコードなんて流行歌やポップスのそれに比べたら売れ行きはたかが知れている。しかし先ほども述べたように歴史の風雪に耐えて今も聞かれている作品は沢山有り、今聞いてもちっとも古いと感じさせない。それはその作品が我々に感動させる何らかの要素が有るからだ。

 

 要は機械も音楽も結局は完成度という事になろうかと思う。しっかり作られた製品や作品は時空を越えて我々を楽しませてくれる。私は決して古い物を見捨てませんぞ。(笑)