オーディオを始めたのがCD時代の人と我々のようなアナログ盤時代の者とはどうも音の感じ方が違うような気がする。CD時代の人はやはり雑音などが入るのを極端に嫌がる傾向にあるようだ。尤も私の1年先輩はアナログ時代に育ったにも拘わらず、アナログ盤が嫌いで雑音のないCD贔屓だ。
確かにCDは取り扱いが便利だし、リモコン操作出来るなどのメリットはあるが、反面趣味性が著しく低下している。様々なトーンアームやカートリッジによって音を変えるなどの芸当は出来ない。ひょっとして最近のオーディオ業界の不景気はこの趣味性を無くしたためではないのか。
最近はLPがブームだと言うが、果たしてLPの音に惚れて買うのかどうかは定かではない。寧ろジャケットなどを見て楽しむ方向のようだ。果たしてCDよりLPの方が音が良いと思って買う人がどれだけいる事やら。
私はいい加減な人間で、無論LPが手に入ればそれを買うが、無ければCDで我慢する。音は良ければそれに越した事はないが、演奏を聴けないより増しである。まあ、音は物にも依るがLPの方がいいと思っている事は確かだが。
ただCDの音に慣れている人はそちらの方が好みだという方もいる。これはしょうがない。料理で言えば今迄薄味で慣れてきているのに、いきなり濃い味の料理を食べさせるのはちと無理があるだろう。したがってアナログ派の主張をデジタル派に押し付けようとしても余計なお世話になりかねない。まあ、個人の趣味だから本人がこっちがいいと思えばそれで良いのだ。
どうも長年やっているとつい自分の音を押しつける人がいますが、（それアンタの事？）それはやってはいけない事だと思いますな、ウン。CD時代になってからオーディオに目覚めたと言う方はCDが発売されて良かったのだと思う。確かに静寂の中から音がドーンと出て来るのはオーディオ的快感だ。S/N比はとてもLPの及ぶ所ではない。
しかし音楽を聴かせてくれるのはどちらかと言う事になると簡単にはCDに軍配を上げられない。まあ、私はアナログ派ですからね（笑）。ともかく片方を聞かずして安易にこちらが良いと言っても始まらない。色々聞いて総合的判断を下して欲しいものだ。
